那智勝浦に義援金 紀北の26店が支援活動

那智勝浦に義援金 紀北の26店が支援活動
義援金を那智勝浦町社会福祉協議会の職員に手渡す田村さん㊥ (田村さん提供)

 台風12号の被災地を応援しようと、 紀北地域の飲食店など26店舗がこのほど、現地でボランティア活動を行った。 9月9~17日に各店舗に義援金箱を設置して集まった8万4679円を、 那智勝浦町社会福祉協議会に全額寄付した。

 活動の発起人は岩出市中黒で酒店を営む田村昂司さん (28)。 死者や負傷者が多数出た惨状に 「何か助けになることができないか」 と、 取引先店舗や企業などに協力を呼び掛けた。

 各店舗では義援金の他、 現地で活動する際に着用するTシャツへの応援メッセージの書き込みも募り、 「辛い時は泣いたらいい」 「一人やない」 「負けたらあかん」 など約100のメッセージが集まった。

 9月19日には、 参加した店舗の従業員ら10人が那智勝浦町で活動。 現地ボランティアセンターの指揮により、 同町が現地対策本部として使用することにした保育所の泥出し作業を行った。

 同保育所は氾濫した那智川沿いにあったため、 土砂が壁を破って侵入し、 床上1㍍50㌢ほどが浸水する壊滅的な被害を受けていた。 建物内には流れてきた流木が室内のロッカーに突き刺さっていた。 参加者は汚泥の悪臭が漂う中、 スコップと運搬車を使った人海戦術で作業を進めた。 作業中には泥の中から写真のアルバムを発見。 汚れを落とすと、 元気に過ごす被災前の子どもたちの様子が写っていた。

 田村さんは活動を振り返り、 「川が氾濫し家屋が流された地区は、 3㌔先まで見渡せる悲惨な状態。 支援物資がまだ届いていない地域もあり、 今後も継続した支援が必要だと感じました」 と話していた。

 田村さんは今後も月1回のペースで被災地に足を運び、 被災者の要望を聞く活動を続ける予定で、 協力者も募っている。

 問い合わせは田村さん (℡0736・63・4443)。

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