保田龍門生誕120年で特別展示 近代美術館

保田龍門生誕120年 特別展示 近代美術館
南方熊楠の胸像原型㊨と約5・6㍍の「光明皇后賜療」

 現・紀の川市生まれの画家・彫刻家、 保田龍門(1891~1965)の生誕120年を記念する特集展示が12月4日まで、 和歌山市吹上の県立近代美術館で行われている。 早熟な才能をうかがわせる13~14歳ころの水彩画 「台所」 から、 最後の作品となった南方熊楠の胸像石膏原型まで、 代表作や初公開作を含む油彩やデッサン、 ブロンズ像約80点が紹介されている。

 龍門は東京美術学校の卒業制作作品が第11回文部省美術展覧会で特選を受賞。 第6回再興院展で彫塑《肖像》が樗牛(ちょぎゅう)賞受賞。 米国とヨーロッパに渡り、 フランスの彫刻家アントワーヌ・ブールデルが教える美術教室で学んだ。

 帰国後は和歌山大学や大阪市立美術研究所で後進の指導に当たり、 県庁や紀陽銀行本店の壁面彫刻、 静岡県下田市の吉田松陰像、 名古屋市の平和堂も手掛けた。

 展示作品は、 東京美術学校時代の油彩自画像や鉛筆デッサン、 ヨーロッパ留学中に描いた画家ティツィアーノの模写、 ブロンズ像 「アンドレの首」、 欧米の感性を吸収して作り上げた龍門スタイルのブロンズ像 「少女」、 横5・6㍍ほどの油彩 「光明皇后賜療」 などで、 穏やかな中にもしっかりした造形力がうかがえる。

 同館の寺口淳治学芸員は、 「真面目な方で、 ずっと手を動かしていたかったのでしょう。 デッサンなどからもそんな感じが伝われば」 と話している。 月曜休館。 問い合わせは同館(℡073・436・8690)。