和歌山市の南出君、安井さん主演 「南から来た少年」

南から来た少年
小道具のラケットを持った南出君㊧と安井さん

 アルタミラ美術館 (和歌山市和歌浦南) 代表の廣瀬茂之さん (53) が脚本・監督・編集する自主制作映画 「南から来た少年」 が、 18日から21日まで同市の和歌の浦アート・キューブで上映される。 主演を務めるのは、 南出亮君 (12) =宮北小6年=と安井京香さん (13) =和大付属中1年=。 廣瀬さんは 「坂本龍馬に憧れる少年や、 落ちぶれた老人が一花咲かせるかっこよさの詰まった作品。 ぜひ見てほしい」 と話している。

 廣瀬さんの5作目。 1年半ほど前に、 NHKの連続ドラマ 「龍馬伝」 を見ていてストーリーを思い付いたという。

 ストーリーは、 龍馬に憧れる土佐 (高知県) の少年・龍太が、 風船に結ばれた短冊を見つけ、 短冊を書いた涼子を探しに和歌山を訪れるというもの。 和歌浦を主な舞台に、 田辺市や奈良県の吉野などで撮影した。

 安井さんは6歳から演技の経験があり、 現在もミュージカル教室 「ワナビースターズ」 に所属。 廣瀬さんはかねて安井さんの演技に惚れ込み、 安井さんをイメージして登場人物の涼子を描いた。 龍太役は公募を行ったところ、 5人の応募があり、 他に演技経験のある応募者もあったが、 「人をにらみつけるような目力があり、 龍馬のように大志を抱く少年のイメージにぴったりだった」 と演技経験のない南出君に白羽の矢が立った。

 クランクインはことし5月15日。 当初は、 セミの鳴き声などのノイズを避けるため、 夏休み前にクランクアップする予定だったが、 雨天が続き9月26日までかかったという。 初めて演技に挑戦した南出君は、 「 『~ぜよ』 とか土佐弁のせりふをかまないで言ったり、 自然に動くのが難しかった」と言い、 女優を目指しているという安井さんは 「映画の出演は初めてで本当にうれしかった。 ミュージカルは演技を大きくするよう指導されてるけど、 映画では 『演技を抑えて』 と言われました。 自分の演技が客観的に見られて勉強になりました」。

 まちなかでの真夏の撮影で待ち時間も長く、 いら立ちが募って2人がけんかしてしまったり、 南出君が水路に飛び込んでけがをするなどハプニングもあったという。 特に、 警察官から2人がゴムボートで逃げるラストシーンは、 波が荒く何度も撮影したため、 安井さんが気持ち悪くなってしまうなど体を張った撮影となった。

 廣瀬さんは、 「亮君は何でも飲み込みが早く、 一人での演技は上手。 小学生らしいやんちゃさを持ち合わせてますね。 京香ちゃんの演技は満足のいくもので、 服装なんかもきっちりしていて、 大人として接していました」 と2人の演技に太鼓判を押す。

 入場料は前売り500円、 当日800円。 午後7時半上映。 入場券などの問い合わせは同美術館 (℡073・447・9170) へ。

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