和歌浦の海に藻場再生するブロック設置
クレーンで海へ降ろされる鉄鋼スラグ魚礁ブロック
和歌浦湾の藻場(もば)を再生し魅力ある海にしようと、 NPO法人和歌浦湾海業(谷吉哉理事長)は29日、 和歌浦・田浦漁協漁業権地域内の3カ所に、 住友金属和歌山製鉄所が製造した鉄鋼スラグ魚礁(ぎょしょう)ブロック(4㌧、 8㌧各3個の計6個)を設置した。
海藻が生育すると魚介類などの卵が付着できる鉄筋の籠が取り付けられた同ブロックは、 海岸から沖合約70㍍、 水深約5~6㍍、 間隔が約250㍍の指定された海中へゆっくり降ろされ、 潜水夫と交信しながら、 約2時間かけて設置された。
和歌浦湾沿岸の環境保全、 経済活動の活性化、 まちづくりの推進を図る取り組みの一環で、 日本財団の支援と住友金属和歌山製鉄所の地域活性化への協力により実現した。
同製鉄所環境部リサイクル技術室参事補の浜崎拓司さん(53)は 「鉄鋼スラグは、 鉄鉱石から鉄を作るときに生まれる副産物で、 鉄やケイ素など生物に必要な元素を多く含んでいます。 数年前、 海南市の冷水浦港で実証実験を行い、 海藻や付着動物などが増加しています。 和歌浦湾でも魚介類が増え、 豊かな海になってほしいですね」。
谷理事長(70)は 「住友金属さんの全面的な協力と日本財団の支援によって、 魚礁ブロックを設置することができました。 和歌浦湾の沿岸地域や海域の環境保全、 観光とレジャーと漁業の一体化を図ることで、 多くの人らが訪れる活気のあるまちづくりを進めたい」 と話している。
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