「町営住宅の建設を」 紀美野町長谷毛原の住民ら


町の現状を説明する、考える会の弓庭会長㊧

 過疎、少子化が進む紀美野町長谷毛原地区で、町外から地区への移住促進を図るため、地区内に町営住宅の建設を求める声が一部で上がっている。同地区へ移住を希望するIターン者も少なくないが、町営住宅の空きや適当な空き家が見つからないことが多く、積極的に受け入れられないのが現状という。今後は陳情署名活動も進めていくという。

 取り組んでいるのは、「長谷毛原地区保育所・小学校・中学校の今後の運営を考える会」(弓庭武彦会長)。先月、住民ら約30人を対象にした説明会を開いた。

 同地区では過疎化に歯止めをかけようと、小中学校を窓口として、家族ごと移住してきてもらう取り組みを行っている。実際に東日本大震災の被災者や、田舎暮らしに憧れた数家族が移住してきた実績もある。

 移住を検討している人からは、住む場所についての問い合わせが多い。ほとんどの場合、適当な空き家がなかなか見つからず、空きのある町営住宅が見つかっても、一定の所得制限があるなどで紹介が難しいのが現状だ。弓庭会長(78)は「希望してくれる人に対し、積極的に移住を勧めることができないのがとても歯がゆい。何らかの形で町に訴えていきたい」と話している。

 同地区は少子化も進む。平成13年度、地元の町立毛原小学校(同町毛原中)では6学級に計40人の児童がいたが、ことし11月現在、半数以下の16人になり、学級数も4複式学級に減少。長谷毛原中学校(同町毛原宮)でも、ここ10年では平成16年度の3学級計27人のをピークに、年々減少を続けており、現在は1複式学級に5人が在籍するのみ。

 同会では今後、求める町営住宅の具体的な中身などについて話し合っていくという。

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