「備前焼のかっこ良さを」 藤田祥さんが作陶展

和歌山市出身の備前焼作家・藤田祥さん
「食卓を立体的にしたい」。 高さのあるユニークな皿を手にする藤田さん

 和歌山市出身の備前焼作家・藤田祥さん (33) の作陶展が来年1月9日まで、 同市小野町のOnomachiα (登録有形文化財・西本ビル) で開かれている。 備前の土の多彩な色や表情を引き出したいと、 常に新しい表現に挑んでいる藤田さんの、 花器や茶器、 酒器、 食器などが展示されている。

 作品は、 さまざまな色が層になった土の魅力を独自の技法で生かした 「地層マグカップ」、 光沢ある黒備前の花器、 つや消しした黒備前のとっくり、 窯変 (ようへん) の複雑な色合いや肌合いが面白い 「塗り土長壺 (つぼ)」 など。

 また今回は、 「食卓を立体的にしたい」 と、 まるでデコレーションケーキの台のような円形皿や、 現代風にデザインした高杯 (たかつき) も出品している。

 藤田さんは、 「数百年前の備前焼のかっこ良さを、 自分を通し今の世代に伝えたい。 そして焼き物は、 料理を盛ったり花を生けたりすることでまったく違うものになります。 使っていただきたいですね」 と話している。
 午前11時から午後6時。 31日から1月5日は休み。

 藤田さんの備前焼作品で、 松岡みつこさんの日本料理を楽しむ催しが1月10日、 同所で開かれる。 藤田さんは 「好みの器に、 好みの料理を盛ることは、 陶芸家や料理人が一度は夢見ることではないでしょうか。 その夢の第一歩です」 と話し、 参加者を募っている。

 正午から午後6時。 料金は一人3000円 (日本茶付き)。 パティシエール青木留実さんのお菓子と藤田さんがたてる抹茶も楽しめる。 申し込み、 問い合わせは同所 (℡073・425・1087)。

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