不祥事再発防止へ 和歌山市が大綱まとめる

 車で線路内を走るなど、 和歌山市の職員による不祥事が続発したことを受け、 市が11月に設置した 「市職員不祥事再発防止委員会」 は、 不祥事再発防止策大綱をまとめ、 27日、 公表した。 人事課に新たに 「人事相談員」 を設置することや、 自己チェックシート作成などの取り組みを通して不祥事の再発防止に努める。 市が大綱をまとめるのは初めて。

 同委員会は、 過去5年間(平成19年度以降)で懲戒処分を受けた136人のうち、 管理監督責任を除いた92人の処分事例を分析。 「不適切な事務処理などの服務義務違反」 が47人で最も多く全体の51%を占め、 「手当などの給与不正受給」 21人▽ 「集団準強姦未遂など一般非行」 15人(逮捕7人)▽ 「道交法違反」 8人(飲酒運転3人)と続く。 処分者は50代が半数近くを占めた。
 これらの要因として、 研修体制などの不備▽管理・監督体制の不備▽コミュニケーション不足▽公務員倫理意識の低下▽勤務態度不良▽知識・認識不足などを列挙している。

 組織体制の改善策の一つとして設置する 「人事相談員」 は、 これまで副課長が兼務していた 「職員指導員」 の名称を変更して、 専任で任命。 定期的に職場を巡回し、 職員の相談に対応する。

 自己チェックシート作成は、 倫理意識向上のために初めて実施する。 チェック内容はこれから決めるといい、 同課は 「気付きの機会にしてもらいたい」 と期待する。

 また、 職員のモチベーション向上のために 「仕事ダイエット」 を取り入れることも盛り込んだ。 効率的に業務をこなし、 平成25年度までに時間外勤務手当を25%カット(2億円)し、 年休の平均取得日数を2・5日増やすことなどを目標としている。 来年1月から試行し、 4月から本格的に実施するという。 削減額はインセンティブ予算として、 職員のメンタルヘルス対策の充実や市民サービスに直結する予算などとして活用する。

 この他、 悪質かつ社会的影響が大きい不祥事の場合は、 懲戒処分前であっても事実確認ができた段階で事件概要を公表し、 透明性と信頼性を確保するという。

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