客足が伸びた神社も 紀南地方の初詣

熊野速玉大社
昨年より初詣客が増えた熊野速玉大社

 台風12号の被害の影響で、 基幹産業である観光業が大きな打撃を受けた紀南地方。 本来なら書き入れ時となる年末年始は、 まだ本調子とはいかないものの、 前年に比べ客足が伸びた観光名所もあり、 回復の兆しが見えているようだ。

 初詣の人気スポットの一つ、 熊野三山の正月三が日の参拝客は、 各神社の関係者によると、 熊野速玉大社 (新宮市) が昨年より約7000人増の19万2000人、 熊野那智大社 (那智勝浦町) は前年並みの10万3500人、 熊野本宮大社 (田辺市本宮町) は前年比約7万人減の24万8000人だった。 熊野速玉大社の関係者は 「台風以降、 8割ほど参拝客が減っていた中、 新宮市や那智勝浦町で復旧を頑張ってきたからか、 前年を上回る客足となり本当にありがたい」。 本宮大社の関係者は、 「風評被害で、 9月から12月は今までに例のないほど参拝客が激減している状態だった。 それを考えると、 初詣の参拝客は予想より多かった」 と話している。

 宿泊施設では、 いまだ苦戦を強いられているところも多いようだ。 那智勝浦町のホテル浦島は、 年末年始の宿泊客が前年より3~4割少なかったという。 毎年、 年末年始はほぼ満室状態になるが、 ことしは7割ほど埋まったところで予約がストップした。 近くのホテル中之島も、 この時期は毎年満員御礼になるが、 ことしは満室になる日はなかったという。 同ホテル関係者は 「復旧したといっても国道311号の一部が仮設道路だったりして、 少し影響している面もあるのでは」。 田辺市本宮町の温泉旅館 「冨士屋」 は、 年末年始は満室になったが、 例年であれば1月2週目の連休まで繁忙期のところ、 ことしは正月三が日で勢いがなくなったという。 本年度のリクルートじゃらんリサーチセンターの 「人気温泉ランキング2012」 秘湯部門で1位になった龍神温泉元湯 (田辺市龍神村) は、 前年並みの客足だったといい、 関係者は 「年末は例年より少ない雰囲気だったけど、 正月は天気が良くてお客さんが多かったです」 と話していた。

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