揺れる前に確実に配信 安否確認メール


緊急地震速報と安否確認システムを連動させた

 緊急地震速報受信機などを販売する㈱ニシハタシステム(和歌山市友田町、西畑恭二代表取締役)は、緊急地震速報と連動して事前に登録した人の携帯電話に安否確認のメールを送るシステムサービス「eアンピーHS301A」を開発した。大規模地震の際も、主要動の直前に起こる初期微動の時点で発信する同速報と連動しているため、停電などが起こる前に確実にメールを配信できるのが特徴。

 同社は、㈱エイツー(東京都品川区)の緊急地震速報受信機の代理販売を主な事業としている。同受信機は、気象庁の緊急地震速報を受け、スピーカーや館内放送などと連動して周囲に知らせる仕組み。全国約2500カ所、県内でも学校や企業など約170カ所で導入されている。

 今回開発したシステムは、登録すれば、同受信機の発信とともに安否確認したい人にメールが一斉配信され、受信者はメールに書かれたインターネットアドレスを通して安否状況を連絡できる。

 2年前、同社の担当者が紀南地方の漁協関係者から、「船の上にいる漁師にも知らせられる方法はないか」と提案を受けた。乗船中も持っている携帯電話に目を付け、同システムをひらめいたという。

 同社によると、東日本大震災の発生時、停電が原因で大手警備会社の安否確認システムのサーバーが落ち、登録者にメールが届かず機能しなかったケースがあったという。同社の開発した同システムであれば、地震の初期微動の時点でメールを発信するため、確実に届けることができ、早期避難にも役立つことが期待できるという。同システムをリリースして約2カ月で、県内外の約20社と契約し、安否確認登録者数は1万人を越えた。

 条件が合えば、大手飲料メーカーの協賛で、同システムを無料で導入することも可能。西畑代表(50)は「東海・東南海・南海地震が懸念されているが、東海地方などの人と比べ、和歌山の人は意識が薄いように感じる。システムを導入することで、企業や学校での防災意識は確実に高くなったという声もある」と話している。

 同システムの問い合わせは同社(℡073・435・0351)へ。

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