急斜面も補助対象に 和歌山復興の貴重な一歩

玉置 公良

 年が改まり、 皆様のご健康とご多幸をお祈り致します。

 年末、 日本の国会にブータン国王、 王妃がお見えになりました。

 国会で演説を聴きながら30年前に私の自宅にブータンの青年が来日し、 民泊されたことを懐かしく思い出しました。 「幸福度世界一」 の精神は私たちが忘れかけていた本来日本人が持っていた自然との共生や人と人の絆を大切にしていくことを改めて教えてくれたと思います。

 台風12号で、 大災害に見舞われた紀伊半島ですが、 3200億円という予算も決定し、 熊野川をはじめとした命を最優先にしたダムの検証と対策の見直し。 観光を始めとした地域経済の再生。 東南海地震津波対策など、 復興に向かって全力を挙げて取り組んでまいります。

 和歌山県は70%が森林です。 傾斜が20度以上ある急斜面に梅やミカン、 柿を栽培している農家が多くあります。 知恵のある農民たちは急斜面を巧みに活用しているのです。 ところがこれまでは、 こうした急斜面は災害復旧事業の対象としないという政令がありました。 これは納得できません。 何度も国に要請しましたが、 なかなか進展できませんでした。 昨年12月20日、 台風12号被害に関する重点要望活動として地元の方々と野田総理のもとへ陳情に行きました。 その熱意に総理も和歌山県の現状を理解され、 60年ぶりに傾斜が20度を超える農地も災害復旧事業の対象となると、 政令が改正されました。 和歌山県復興の貴重な第一歩でした。

 東日本大震災への対応で一つ報告をしておきたいことがあります。

 それは、 被災地に取り残されたペット救済のために何度も現地へ足を運び、 放射能汚染の危険を承知で身体を張って救出に取り組む友人に心を動かされ、 飢え死に寸前のペット救済を訴える要望を持って、 政府に幾度も直訴し、 事態の改善を図りました。 その結果昨年11月には、 民間の動物救済団体の求めで初めて20キロ圏内の立ち入り許可を政府から取り付けることができ、 私達夫婦も救援に同行しました。 人間の命もペットの命も同じ大切な命なのです。

 売却・廃止を前提にされていた紀南病院も2年の長い国会での戦いでしたが、 存続法案を昨年実現することができました。 これを機にさらなる地域医療体制の充実を支援してまいります。

 有田市では、 東燃ゼネラル存続実現、 新たなまちづくり支援を全力で取り組んでまいります。

 今年は世界遺産条約40周年を迎え、 日本で記念行事が開催される予定です。 私は昨年から熊野・高野でその記念行事の実現をと考え、 県と共に要請しているところであります。 本年は熊野・高野が世界の聖地として認知されるための実現の第一歩として踏み出します。

 通常国会が24日からはじまります。 新年度予算案は、 総額90兆3300億円となりました。 これに関して一例を挙げますと、 身近な分野では、 ①地方交付税は政権交代後3年連続増額の17・5兆円(平成22年度1・1兆円増、 23年度0・5兆円増、 24年度0・1兆円増)②地域自主戦略交付金(従来のようなひもつきの交付金ではなく、 地域の自由裁量を拡大するための交付金)が昨年度より3000億円以上増額し8329億円、 都道府県分の対象事業が拡大③雇用保険料の引き下げにより、 事業主・労働者の負担を軽減などです。

 最後に、 喫緊の課題となっているTPP問題と消費税について申し上げます。 私は党の 「TPPを慎重に考える会」 に入り、 日本の国のあり方を大きく変えることになるTPP参加については、 慎重の上にも慎重でなければならないという立場を堅持しています。 また、 消費税増税についても同じで、 国家財政破綻の問題はあるにしても、 やはり実施時期については、 マニフェストに沿った慎重なプロセスを踏むべきだと考えております。

 2012年は、 昨年にも増して課題を抱えた勝負の一年となりそうです。

 本年もどうぞ宜しくお願い致します。

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