貴重な文化財守れ 那賀消防が防火訓練


文化財を運び出す隊員たち

 文化財防火デー(26日)を前に、那賀消防組合消防本部(田中照巳消防長)=岩出市中迫=は22日、県の重要文化財に指定されている同市北大池の上岩出神社で山林火災を想定した訓練を実施し、消防団などとの連携を確認した。田中消防長は講評で「各機関が連携し、実践さながらに行われ、所期の目的が十分に達成されました。一丸となって貴重な文化財を次の世代に受け継ぎましょう」と述べた。

 文化財防火デーは昭和24年1月26日に法隆寺の金堂が火災により焼失したことや、 1月と2月に火災が多発することを受け、 同30年に制定。 ことしで58回目。 この日は同組合、 市消防団など約100人が参加した。

 本殿西側の山林から出火したと想定し、 同神社の村田実宜の 「火事だー」 との発声を合図に訓練が始められた。 消防車5台、 団車5台が出動。 本殿前まで車が進入できないため、 隊員や団員らは、 ホースを連結させて防火水槽や近くの池から水をくみ上げ放水した。 その他、 消火器での初期消火、 本殿内の文化財搬出訓練などもした。

 市消防団の味村孝団長 (77) は 「団員たちも文化財に対して 『自分たちが守る』 といった意識は高く、 有事の際は訓練の連携を忘れず、 任務に当たります」 と話していた。

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