道路の危険をCG映像で体験

歩行者体験システム
県警本部が導入した 「歩行者体験システム」

 高齢者の交通事故を防止しようと県警本部は、 道路横断時の危険をCG映像を通して体験できる 「歩行者教育システム」 (三菱プレシジョン㈱製)を導入した。 今後、 交通安全教室で活用し、 横断歩道のない道路を横断する危険性を訴える。

 交通企画課によると、 日本損害保険協会が警察庁に寄付し、 県警本部に配置された。 専用のセンサーなど一式550万円と高価だ。 現在、 各都道府県警察など、 25カ所で稼働しているという。

 道路に見立てたマットの上を歩き、 センサーが体験者の歩く速度などを測定し、 映像に反映。 CGのキャラクターが体験者と同じ歩幅や速度で動いて、 道路を横断するというシステム。 タイミングが悪ければ、 車と衝突することもある。 この他、 クイズ出題機能も備わっている。

 1日には、 和歌山市西の交通センターで同社職員による説明会が開かれ、 山岸直人本部長や交通部の幹部署員ら約20人が出席。 職員は 「自分の歩く速度を自覚し、 『自分は大丈夫』 と思っている人に危険性に気付いてもらう。 そして、 横断歩道のない道路は横断しないでほしいということを啓発できると思う」 と話した。

 今後、 1年間に340カ所で交通安全教室を開いている同課交通安全教育班 「ひまわり」 が、 新たな教材として活用するという。
 県内では昨年、 交通事故で54人が亡くなり、 うち19人(高齢者17人)が道路横断中の事故だった。

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