安全と豊漁を願い 海南の漁師ら汐祭り
海上で豊漁を祈願する参加者ら
海上安全と豊漁を願う祭事 「汐 (しお) 祭り」 (海南市漁業協同組合冷水浦支所主催) が7日、 同市冷水の漁港であり、 漁業関係者や地元企業から約40人が出席した。
祭りの歴史は江戸時代初期、 寛文10年 (1670年) にさかのぼる。 紀州藩士の石野重延が、 紀州初代藩主の徳川頼宣から馬を拝領 (目上から物をもらうこと) したところ、 馬の額に約3㌢の角が生えていた。 驚いた石野は角を切り取り、 藤白神社 (同市藤白) に奉納した。 不漁の際、 角を持って漁に出ると大漁が続いたことから、 この角のことを 「馬角 (ばかく) さん」 と呼び、 漁業の神様として祭るようになった。
形が釣り針に似ていることから、 大漁を祈願するようになったのではないかといわれている。
漁港では、 同神社の吉田武浩権祢宣が神事を行い、 参加者一同が玉串をささげた。 その後、 参加者らは大漁旗を掲げた漁船に乗り込み、 太鼓を打ち鳴らしながら沖合へ出た。 海上では、 吉田権祢宜が馬角さんの入った木箱を掲げ、 お神酒や小石の重しが付いた玉串を海にささげていった。
同漁協の八木芳行副組合長 (59) は 「祭りは手こぎ船の時代からずっと続いている。 漁業の担い手が高齢化して少なくなってきたが、 これからも残していきたい」 と話している。
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