東和中に文科相表彰 生徒の「朝読」定着


職員室前に設置された朝読用の本棚(本紙1月1日付より)

 子どもの読書意欲を高めるため、優れた活動を行った学校をたたえる本年度の文部科学大臣表彰で、和歌山市立東和中学校(同市杭ノ瀬、湯川能成校長)が優秀校に輝いた。同校は平成21年度から毎朝10分間読書する「朝読」の時間を設け、生徒に朝読の習慣を定着させた。教職員が一致団結して読書の推進に取り組み、現在も継続している。表彰式は23日、東京都で行われる。

 同校は21年度、課題の一つに読書不足を挙げた。年度途中から、午前8時30~40分を朝読の時間として設定したが、その時間、教師は会議で教室にいなかったため、生徒だけで本を読む活動はなかなか定着しなかったという。

 次年度、教員から「会議の時間を10分早めてほしい」という声があり、体制を変えたことが定着に結び付いた。教員が朝読の時間には教室に入り、生徒と一緒に本を読むことで、生徒たちも自発的に本を読むようになった。

 全教室には文庫本を30冊ずつ設置。職員室前にも本棚を置いて、誰でも好きな時に借りられるようにした。全て自己管理で行っているが、本を紛失したことは一度もないという。

 表彰を受けて、湯川校長は「本を読むことは言葉を知ることや人の心をよむことにもつながっています」と笑顔で喜んでいた。

 県内で表彰されるのは他、有田市立糸我小学校、県立紀央館高校。

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