未利用の青柿を活用 粉末で販売


販売を始めた 「パーシモンパウダー」

 海南市藤白の酒造会社で機能性食品の研究、開発を手掛ける中野BC㈱(中野幸生社長)は、熟す前に摘果(間引き)する青柿の粉末を開発。 食品やサプリメントに使う業務用商材として販売を始めた。 県内の柿農家が減少傾向にある中、未利用だった青柿が活用されることで、産業の活性化にも期待が掛かる。

 同社によると、 本県は全国一の柿の産地だが、 高齢化や後継者不足で農家は年々減少。 未利用資源の青柿の有効活用が農家の支援につながると考え、 国の助成を受けた中で平成19年から同社リサーチセンター食品科学研究所、 岐阜県生物工学研究所、 独立行政法人食品総合研究所と共同で研究してきた。

 20年に独自技術を考案し、 青柿を無味の粉末にすることに成功。 渋みの強さから食用には適さなかった青柿がスイーツやサプリメントへの応用が見込めるようになった。

 また、 青柿に含まれる成分 「ポリフェノール」 の一種 「タンニン」 が、 善玉コレステロールを減らさず動脈硬化を進行させる悪玉コレステロールを減少させる効果も発見。 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のリスク減少、 高脂血症、 糖尿病の改善に効果が期待できるという。

 商品名は 「パーシモンパウダー」。 販売価格は100㌘1650円、 1㌔1万5000円。 全国の食品関連メーカーや商社からの反響も上々で、 15日には高野町の社会福祉法人聖愛会 「南山苑」 が高野山金剛峯寺の青葉まつりで粉末を生地に練り込んだ手打ちうどんを実際に振る舞う。

 詳しい問い合わせは同社(℡073・482・1234)まで。

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