和歌山市の井田さんが初の写真個展


森で妖しく光るキノコを捉えた「妖精」㊧について話す井田さん

 和歌山市和田のアマチュアカメラマン井田幸志さん(55)が11日まで、同市宇須のギャラリー花畑で初めての個展「夜のしじま~紀伊半島の夜~」を開いている。月夜や闇夜、夕暮れや明け方の山や海、空を、長時間露光でフィルムに焼き付けた神秘的でロマンチックな風景写真46点を展示している。

 作品は、野迫川村(奈良県)の雲海を月明かりだけで撮り、黒々とした山裾が薄紫色の雲海に溶け込んでいく「夜のしじま」(日本写真作家協会公募展金賞)や、森から差す光で踊るように並ぶキノコを撮影した「黄昏の森」(ニッコールフォトコンテスト準推薦)など。

 白や黄、ピンクなどのカラフルな星の光跡をとらえた「静寂」▽荒れる波がまるで雲のように岩場を包む「雲の波」▽漁船の光跡が五線譜のように踊る「海のメロディー」▽花火13連発を1枚にくっきりと捉えた「噴火」といったさまざまな作品が並ぶ。

 同じ風景が青や緑、紫、赤、茶色などの透明感のある色合いになることや、わずかな光が生み出す繊細な表現に来場者は驚きながら見入っている。

 5年前から本格的に写真を始めた井田さんは「ありふれた風景が、夜になるとこんなに表情が豊かになる。なかなか見る機会のない風景をご覧いただきたい」と話している。

 午前10時から午後5時(最終日は4時)。問い合わせは同ギャラリー(℡073・435・3615)。

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