お子さま連れで、 東京から骨休めに来られたご夫婦を、 お城の見えるホテルでマッサージさせていただいた。 昼間見た白浜アドベンチャーワールドのイルカショーの感動が覚めやらぬご様子。 「全国あちこちでイルカショーを見たが、 観客とイルカと調教師たちが、 これほど一体となったショーは初めて」 とおっしゃる。
ご主人はお父様と共に葬祭業を営み、 奥様は元ディズニーランドのダンサーであったという。 客人をもてなすプロフェッショナルから、 これほどの激賞を頂戴したイルカショーを、 自分の目で確かめに行った。
大きな深い水槽で、 十数頭のイルカが、 美しい音楽に合わせて難易度の高い芸を披露した後、 観客との交流の時間がたっぷり与えられる。 いたずら好きのイルカが、 水槽の間近に集まった子供たちに水しぶきをかける。 愛嬌(あいきょう)たっぷりのイルカが、 まるで話し掛けるように口を動かしながらガラス際までやってくる。 イルカに劣らず芸達者なアシカや人気のパンダなど、 動物との非日常的な交流を満喫できる仕掛けが、 ここにはある。
交流といえば、 この親子連れが夕食をとった和歌山市内の居酒屋がこれまた素晴らしかったのだという。 「子どもの相手までしてくれて、 和歌山の人はホントに心優しくてあったかい。 きっとまた来ます!」
アクセスが良いことや費用がリーズナブルであることなど、 観光客に来ていただくのに必要な条件はいろいろあるだろう。 しかし人は 「心を通わせるために旅する」 ことを忘れてはならない。 私たちのふるさと和歌山は、 その要件を備えている。 自信を持って磨こう、 「心つなぐ和歌山」 を。 (宮本年起/和歌山)