和紙コラージュで受賞相次ぐ 紀の川市の林さん


林さんと受賞作品㊧、これから出品する作品

 紀の川市打田の林明榮(みょうえい)さん(59)が、和紙を切って貼り重ねた独創的なコラージュ作品で世界に羽ばたいている。漢字や具象、抽象、立体が混然となった不思議な作品で、今までの海外出品作は全て入選か入賞。最近はみやびやかな「王朝継ぎ紙」技法も取り入れ幅を広げている。林さんは「他人のやっていない斬新なものを作る、常に進化するとの思いでやっています。感動を与えられる作品を作りたい」と話している。

 林さんは幼い頃から書を学び、デッサンやデザインを勉強。コラージュに行き着いたのは6年前、53歳の時だった。その年、東京都美術館80周年記念・第77回第一美術展に初出品し初入選。平成20年には同美術展巡回展で京都府教育委員賞を受賞した。

 その後「海外の評価を知りたい」と国際公募展を調べ出品。「モナコ日本芸術祭2009」でパッション賞受賞、フランス芸術家協会国際公募展「ル・サロン2010」に初出品初入選。

 日本・カナダ・中国を回る「環太平洋展」で昨年「中国人民対外友好協会賞」を受賞し、この夏授賞式に出席。ことし「フランス・ニース国際フェスティバル」に日本人作家20人の一人として推挙され絶賛された。

 特に人気があったのは、漢字の宝と船を組み合わせて獅子の姿にした作品「宝船」で、一筆一筆が自由に泳ぐ鯉になっているなどさまざまな趣向が満載。全体からは躍動感や大らかな幸福感が伝わり、近づくと細密さと和紙の美しい重なりが見える。フランス人も食い入るように見ていたという。

 勤めているため制作は1年に3作品だけだが、ことしはすでに環太平洋展と「ル・サロン」に出品し、来年のニース国際フェスティバルにも参加が決まっている。

 林さんは「『精進したら一流になれる』とある人に言われ頑張ってきました。和歌山の方で、世界に出たいけど方法が分からない方がいたら教えてあげたい。自分がすごく苦労して見つけてきたから」と笑顔で話している。問い合わせは林さん(℡090・9041・8853)まで。

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