野半の里が破産申請へ 負債総額は推定9億円
東京商工リサーチ和歌山支店によると、温浴施設や飲食店などを運営している㈱野半の里(かつらぎ町、中神住春社長)は26日事業を停止し、破産申請の準備に入った。負債総額は推定9億円。
同社は、寛政元年(1789)創業の老舗企業。長年にわたり、酒造業を営んできたが、平成8年に業態を変更。清酒製造を続けながら、酒蔵を利用した飲食・土産物店の運営を開始した他、「木の国野半ビール」の名称で地ビール製造に着手して業容を拡大した。
15年には、天然温泉を活用した温泉浴・健康施設「蔵乃湯」を開設、23年にはアトピー性皮膚炎の治療施設「あとぴぃ醫仁館」も開設するなど、総合的施設として知名度を築いた。
10年にピークの年商約4億4000万円を計上したが、以降は競争の激化などで売り上げは伸び悩み、近年は年商約4億で推移。また、施設の開設や温泉の掘削などに多額の資金を投資し、借り入れ負担が増加。今月に入ってからは仕入れ先へ支払い延期を要請してしのいでいた。
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