沙也可ゆかりの地紹介 市民団体がマップと説明板


説明板を見る辻会長㊧と池田副代表

 「雑賀衆・沙也可(さやか)で街おこしの会」(辻健会長)が、「沙也可ゆかりの地マップ」を作成し、沙也可の生誕地とされる和歌山市平井に「生誕地説明板」を設置した。どちらも日本語と韓国語を併記しており、辻会長(68)は「目的は和歌山市の活性化です。全国や韓国から観光客を誘致し、市内に泊まってもらえるようにしたい」と話している。

 マップはA2の大きさで、雑賀衆の他、紀伊風土記の丘や李眞榮(り・しんえい)・李梅渓(り・ばいけい)顕彰碑など朝鮮半島との歴史的な交流地も含めた16カ所を掲載。観光協会やゆかりの地、韓日友好館などに1万枚配布する。

 また生誕地説明板が設置された平井中央公園は、雑賀(鈴木)孫一の居城「平井城」があったとされる場所。平井のまちづくりや歴史保存を目指す「NPOまち」の池田清郎副代表(62)は「街おこしの会とはテーマが重なっており連携できる。ロマンです」と設置を見守っていた。

 同会は、マップや説明板を使ったバスツアーも実施する予定で、日本語と韓国語の語り部も養成している(本年度の県「地域・ひと・まちづくり事業」と市「わかやまの底力・市民提案実施事業」補助)。

 沙也可は、約420年前の朝鮮出兵の際、「この戦いに大義なし」と朝鮮軍に味方した日本人。その後朝鮮に帰化し李王朝の将軍になった。韓国に数千人の子孫がいるとされる。

 沙也可が誰であるかには諸説あるが、紀州雑賀鉄砲衆の頭領・雑賀孫一の嫡男・孫市郎説が有力で、沙也可の子孫が和歌山市を訪れるなど交流を進めてきた。韓国・大邱(てぐ)広域市にことし5月完成した「韓日友好館」には、和歌山コーナーも設けられている。

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