注目の指揮者迎え 16日「第九」第40回記念講演


下野さん㊨の指導を受ける団員

 40回記念となる和歌山 「第九」 合唱団 (山本光子団長) の 「ベートーベン交響曲第九番演奏会」 が16日午後2時半から、 和歌山市民会館大ホールで開かれる。 今回の指揮者は世界で注目されている若手で、 和歌山第九初登場となる下野竜也さん (42)。 先日は下野さんを迎えての初めての練習が同市の児童女性会館で行われ、 121人が最後の追い込みに励んだ。

 下野さんは楽譜を徹底的に読み込み音楽の神髄に迫る俊英と評されている指揮者。 平成13年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝で一躍脚光を浴び、 国内外のオーケストラに次々に客演。 おととし、 小澤征爾に代わりサイトウ・キネン・オーケストラを指揮したことでも知られる。

 この日下野さんは、 言葉の区切りなどを注意しながら、 「発音もいいしアンサンブルもいい。 後は響き」 「語り掛けるように」 「立体的に」 「向こうに (本番の) 大きな空間をイメージして」 などと指導した。

 奇しくも下野さんにとっても、 今回が40回目の第九の指揮。 下野さんは同曲について 「時代を開いた作品。 人種や宗教、 国を超えてみんなで兄弟になろうと願い、 最後に人間の声に託す。 すごいなと思います」 と語り、 「和歌山の皆さんの歌声は素晴らしく、 うれしい驚きです。 本番ではベートーベンが書いた譜面に忠実に届けたい。 そして一人ひとりが、 それぞれの思いで歌ってくだされば」 と笑顔で話した。

 山本団長 (73) は 「下野先生はアマチュアの私たちに、 柔らかく分かりやすく心に迫る指導をしてくださる」、 全40回出場している小島伸朗さん (60) は 「毎回挑戦したくなるのが第九の魅力」、 和歌山第九の仕掛け人である山本光則さん (81)は 「草の根の第九をと第1回を指揮してくださった外山雄三さんからことしで40回。 皆さまのお陰です」 と話している。

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 16日はボワエルデューの歌劇 「バグダッドの太守」 序曲も演奏する。 管弦楽は京都市交響楽団。 ソプラノ石橋栄実、 アルト福原寿美枝、 テノール二塚直紀、 バリトン三原剛。 第九合唱団は総勢130人。 SS席6000円、 S席5000円、A席4500円、学生2000円。  

 詳しくは和歌山音楽愛好会フォルテ (℡073・422・4225、 FAX073・423・0716) へ。

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