日本の運命かかる安倍内閣 官房副長官の職務に全力

世耕 弘成

 昨年12月26日の第2次安倍内閣の発足に伴い、 内閣官房副長官という重責を拝命した。

 官房副長官という役職は、 総理大臣と官房長官を助けて、 国政全般にわたり、 重要事項の企画立案や省庁間の調整を行うのが主たる任務である。 首相官邸の総理と同じフロアにオフィスを与えられ、 総理から次々と降りてくる特命事項に取り組んでいかなくてはならない。 また総理の外遊の際には首脳会談等に同席し、 サポートするのも仕事である。

 最近は省庁単独で整理できる問題は少なく、 何らかの省庁間の調整が必要になる。 そういった案件はすべてまず副長官のところに上がってきて、 調整を行うことになる。

 私の日々の日程は超過密状態である。 一日に何度も入る総理との打ち合わせ、 経済財政諮問会議等の会議、 相談に訪れる各省幹部、 外国からの来客、 総理の代理として応対する各種団体、 自治体等からの要望活動、 等々分刻みで日程が組み立てられている。 さらに参議院から出ている副長官として、 参議院自民党幹部との各種連絡・調整も重要な仕事だ。

 また危機が発生した場合にはいかなる時でも官邸に駆け付けなくてはならない。 このため、 安全保障上の緊迫状態にある時には週末であっても官邸近辺で待機しなくてはならない。

 私が副長官として気を付けていることが2点ある。

 まず1点目は政治家としての目で官僚の動きをウォッチすることである。 官僚は優秀でよく働く。 安倍政権は民主党のように官僚を排除するような愚挙は行わないが、 官僚の目では事態を見誤る部分があるので、 注意が必要だ。 総理のアジア歴訪中に発生したアルジェリアでのテロ事件の際は、 外務省の官僚は予定通り外交日程をこなすことを主張したが、 私が 「それでは国民の理解は得られない」 として、 日程短縮を主張し、 実現した。

 2点目は、 危機の芽を早めに見つけて、 きちんと対処することである。 北京の大気汚染がやがては日本に影響することを見越して、 実は私の下に関係省庁幹部を呼び集め、 注意喚起する基準値の設定や国民への伝達方法の確認、 自治体との連携、 マスクや空気清浄機の在庫の確認等々の準備に1月から着手していた。

 中小企業金融円滑化法がこの3月末で期限が切れることにもすでに備えを行っている。 零細事業者も含めた企業の経営動向のモニタリング体制や、 中小企業向け相談窓口の設置、 金融検査マニュアルに中小企業への資金繰り協力を盛り込むなどの手をすでに打っている。

 今回の安倍内閣が一定期間続くことができるかどうかに日本の運命がかかっていると考えている。 官房副長官として全力でこの内閣を支えていきたい。

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