和歌山市出身者の小説がドラマ化 25~27日放送

著書を手に 「笑うとビリケンさん似です」 と坂井さん
著書を手に 「笑うとビリケンさん似です」 と坂井さん

 和歌山市出身の小説家、 坂井希久子さん(35)の小説 『泣いたらアカンで通天閣』 (祥伝社)がテレビドラマ化され、 25~27日(午前0時28分~1時23分)、 読売テレビ開局55年記念として3夜連続・関西地区限定で放送される。 大阪の新世界を舞台にした父と娘の物語で、 坂井さんは 「ドタバタで心温まるストーリー。 深夜ですが、 ぜひ和歌山の皆さんにも見ていただければ」 と話している。

 出演は木南晴夏さん、 大杉漣さんら実力派ぞろい。 主題歌は、 阪急百貨店の販売員だったことで話題になった、 ティーナ・カリーナさんが担当する。

 坂井さんは県立桐蔭高校を卒業後、 同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科に進学。 会社勤めを経て、 プロ作家を志して上京した。 平成20年に 『虫のいどころ』 でオール讀物新人賞を受賞。 受賞作を含む単行本 『コイカツ』 でデビューを果たした。 その他、 著書に 『羊くんと踊れば』 『秘めやかな蜜の味』 などがある。

  「お節介な人たちが周りにいる、 うっとうしいくらいのコミュニティーを書いてみたくて」 と坂井さん。 原作は 「じゃりン子チエ」 のチエを大人にしたようなしっかり者の娘と、 人情にもろい父の、 不器用で真っすぐな親子愛、 それを取り巻く人々を描いた人情あふれる物語で、 ネグレクト(育児放棄)など現代の問題も盛り込まれている。

 ドラマのロケは天王寺動物園、 通天閣展望台などで行われ、 関西色たっぷりなのも見どころ。 中でも、 新世界で飲み屋のおっちゃんが登場するシーンは、 アドリブ満載のコテコテの関西弁が激しく飛び交う楽しい映像になっているという。 坂井さんもエキストラとして、 3夜目の結婚式のシーンに出演している。

 また、 登場する父 「ゲンコ」 のキャラクターは、 自身の父親、 健司さん(64)そのものなのだとか。 もともと、 父に読んでもらいたいという思いも込めて書いた作品でもあるという。

 現在、 坂井さんは執筆活動で多忙な毎日を送っており 「まだまだ満足できるものを書けてはいませんが、 これからも、 どうしようもない人間が何とか生きている姿を描きたい」 と笑顔。 「ダメな人間を、 なまぬるく見守っていくような物語で、 読む人にも何かを感じ取ってもらえればうれしいですね」 と話している。

 作品は映画として編集。 30日まで開催中の沖縄国際映画祭にも出品されている。