3言語で世界に 絵本『稲むらの火』発行

絵本を手に山田さん㊧と江川さん
絵本を手に山田さん㊧と江川さん

 世界共通言語エスペラント語の普及に努める、県エスペラント会とわかやま絵本の会などでつくるグループ・インテルポポーラが、絵本『稲むらの火 浜口梧陵のはなし エスペラント語・英語・日本語版』(文・松下千恵、絵・藤井博之)を発行した。平成17年に600部が発行され、世界のエスペラント会を通してトルコなど海外にも送られ好評を得た初版に、より分かりやすく翻訳に改良を加え再出版した。

 絵本は、江戸時代に現在の広川町で村人を津波被害から救い、自費を投じて村を守る堤防を築いた浜口梧陵の生涯を紹介したもの。文章はエスペラント語、英語、日本語で書いている。

 発行した1150部のうち350部は、東日本大震災の被災地や、南海トラフ大地震や津波被害が懸念される高知、宮崎、徳島の小中学校などに無償で提供した。また近年、津波被害に見舞われたアジア、太平洋諸国や、英国など21カ国に42部を送った。

 県エスペラント会の江川治邦さんは「梧陵さんの話は、国境を越えて人の心を打つ普遍性がある。海岸線が長い県だから、海にまつわる美談は多い。串本沖のエルトゥールル号の話などとともに国内外に県の美談を発信したい」。

 英語翻訳を担当した山田恭久さんは「地元の人に地元のことを知ってほしい。昨今の地震や津波の被災者の少しでも助けになり、防災教育の手助けになれば」と話している。

 県内では県立図書館、和歌山市立図書館などの他、学校や施設などに寄贈していく。問い合わせは江川さん(℡073・461・2234)まで。