クール・ジャパンを世界に 進出目指す中小企業を応援

岸本 周平

 アニメやゲーム、ポップ音楽など海外から高い評価を受けるクール・ジャパンを推進するコンテンツ産業は、新たな日本経済の担い手です。今国会では、クール・ジャパン推進機構法案が成立し、官民力を合わせて、海外に進出するためのスタートを切りました。

 私は2001年に初代の経済産業省メディア・コンテンツ課長に就任し、海外に足を運び、汗を流し、海賊版の撲滅やマーケティング活動などの仕事をしました。また、昨年は当選1期生ながら、経済産業大臣政務官として、クール・ジャパンを世界に発信してきました。

 すでに多くの民間企業は自力で、もしくは合弁でリスクを取って、アジアを中心に海外進出を果たしています。たとえば、吉本興業は十数年前から韓国や台湾に現地法人を設立しています。その後も、上海メディアグループとの合弁会社による放送番組の制作を開始し(2011年10月)、台湾の衛星放送「東風衛視」に事業参入しました(2012年5月)。また、金門島での日本産品の物販事業「ご当地市場」も実施予定(2013年7月)です。

 しかし、クリエイティブ関連産業の多くは中小企業者です。たとえば、アニメ・プロダクションのように取引先の大手企業から優越的地位の濫用に近い扱いを受けてきた中小企業者もあります。その結果、アニメや映像のプロダクションは下請代金支払遅延等防止法の対象に指定されていますが、なかなか厳しい経営環境が続いています。何より、コンテンツ産業を支える中小企業は、資金、人材、マーケティングなどの面で、今でも海外進出のハードルが高いのが現状です。

 そこで、政府が500億円を出資して、民間からの出資と合わせてクール・ジャパン推進機構をつくり、海外進出を目指す中小企業を応援することになりました。資金や人材面でのサポートが中心になります。クール・ジャパンの推進は、単なる産業政策にとどまらず、新たな日本文化や流行の発信、海外における日本理解の一助ともなります。ソフトパワー外交の基盤とも言えます。十数年来の私のライフワークの一つであるクール・ジャパンの推進に関して、国会議員として取り組めることはたいへんありがたいことですし、誇りを持って続けていきたいと思っています。

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