美しい築地川を未来に 住民の美化活動続く


川底のごみを引き上げる住民ら

 きれいな川を未来に残そうと、和歌山市湊御殿の築地川、水軒川周辺で、地元住民による美化活動が続けられている。生活排水やごみの不法投棄などの影響で汚れた両河川を、泳げる美しさだったかつての姿に近づける取り組み。17、18の2日間には、不法投棄された粗大ごみを川から引き上げる活動が行われた。

 両河川沿いはかつて製材業が盛んだったことから、川から材木を荷揚げする引上道などが老朽化したまま放置されるなどしていた。地元の要望を受けて護岸工事と花水木遊歩道の整備が行われ、遊歩道は平成20年12月に完成。現在に至るまで住民主体の美化活動が続いている。

 河川の水質は徐々に改善し、一昨年と昨年には親子釣り大会を開催。ことしは依然として残る不法投棄などの問題の改善に向け、環境に対する住民らの意識を高めてもらおうと、大規模な清掃活動に取り組んだ。

 築港自治会の住民らで組織する築港地区花水木遊歩道整備促進協議会(木田耕藏会長)が主催。住民と地元の協力企業などから約50人が参加し、築地川の約550㍍の範囲を清掃した。参加者は川に入り、船やクレーン車なども使ってごみを回収。自転車やバイク、タイヤ、ワイヤー、トタンなど4㌧トラック約3台分が集まった。

 木田会長(70)は「環境は子どもたちに引き継いでいくものなので、きれいな川に戻したい夢がある。排水を流さない、ごみを捨てない意識を地域で高めていきたい。川上の皆さんにも意識してもらえればうれしい」と話している。

 同協議会は今後、10月には築地川に棲む生物や水質の調査を行い、来年2月ごろに環境に関する講演会、勉強会を開くことにしている。

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