「紀淡海峡大橋」の夢を再び 和歌山の可能性呼び起こす

門 博文

 かつて私たちのふるさと和歌山と淡路島を架橋で結ぼうという構想がありました。ご存知の方もいらっしゃると思います。しかし国全体での大型プロジェクト見直しの流れの中でこの構想は減速を余儀なくされました。今、和歌山を取り巻くインフラの整備をあらためて見つめてみますと長年の懸案、待望久しかったものが完成の日の目を見つつあります。特に和歌山市周辺では「京奈和自動車道」、「第2阪和国道」。また先頃「和歌山南インターチェンジ」の設置も決定いたしました。しかし、将来の地域の発展を展望した場合これではまだまだ十分とは言えません。この和歌山の可能性に賭けてみる、眠っている可能性を呼び起こしてみる。そのためにも私は今、この架橋「紀淡海峡大橋」の実現に向けて皆で夢を再び語り始めようではありませんか。

 京奈和自動車道は間もなく阪和道に連結します。ちょうど紀の川サービスエリアの北側に東から進んできた道路が交わり大阪方面、南紀方面へとそれぞれ結合されます。ここを終点とすることではなくあらためてここを起点として淡路島へ、四国へ道路を継いでいく。この結合点をジャンクションとして南北へ、東西へ新たな人の流れを創っていこうではありませんか。

 全国で災害への備えを求める声が東日本大震災以降特に強く叫ばれています。緊急時の基幹輸送経路を確保することはこの中でも最も重要なことです。広域的に見た場合、西日本には国土軸は唯一しか存在しません。万一の災害でここが寸断されれば日常生活や経済活動に大いに支障を来すのは明らかです。新たにこの紀伊半島から淡路島、四国、九州へとつながる「新国土軸」を整備することは防災面からみても焦眉の課題であります。

 まず阪和道から紀淡海峡までをつなぐため、道路を西進させなければなりません。アメリカの開拓時代に倣ってまさに「GO WEST」です。

 阪和道から第2阪和国道まで。この間は約10㌔あります。ここがつながると、今、北部で開発が進む「ふじと台」、「和歌山大学前駅」に直結します。今後の和歌山の開発の核になるであろうこのエリアと直結することで駅の高度活用も図られるようになります。

 そしてさらに西進して「スカイタウンつつじが丘」へ。高規格道路と「駅」がつながるとそこには住宅地のポテンシャルが高まります。和歌山の東部、橋本市の「林間田園都市駅」と周辺の道路整備によって大規模な住宅地が開発され人口が増加してきたことは皆様もご存知のことと思います。このようなこと、いやそれ以上のことがつつじが丘を中心に実現する可能性が高まります。

 そして次に「コスモパーク加太」。関空の土取り場として活用され造成された土地です。ご承知のように今も低利用の状況が続いています。関係各位のご努力に敬意を表しますが関空開港以来、20年近くの歳月が過ぎようとしていますが現状はこのような状況です。ここに高規格道路が直結できるとさまざまな可能性を秘めた「宝の地」に変容することは間違いありません。

 そして加太に。漁港と旅館、観光資源が一体となったこの地域へのアクセスは飛躍的に改善されます。各地から魅せられた人々がさらに訪れることになるでしょう。

 そして淡路島へ、四国へ。いよいよ紀淡海峡を跨ぎます。風光明媚なこの紀淡海峡は単なる交通手段としてだけではなく観光資源としてもこの架橋本体が生きてくるはずです。四国には新幹線を整備しようという構想もあるようです。もし、このルートを通すことになると新大阪から関西国際空港、そして紀淡海峡から四国へ、私たちの和歌山も新幹線に直結することができるようになります。

 国の財政状況が厳しいことは事実ですがだからと言って「夢」を語らなければ政治の役割は果たせません。大きな夢ですが「紀淡海峡大橋」、皆さん、再び夢を語り始めようではありませんか。

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