WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

あふれる「郷土愛」 名古屋で全国県人会まつり

大勢の市民でにぎわう「東海和歌山県人会」のブース(8日正午ごろ)

 「和歌山県人会です。地元の自慢品をそろえました」――。

 9月7・8日名古屋テレビ塔を望む久屋公園(中区栄)で、東海地方にある36の各県人会が集まり各県の食や観光情報を発信する「ふるさと全国県人会まつり」が開催され、「東海和歌山県人会」も出店した。主催者によると来場者は約7万人。

 ブースでは会員の方々に加え、地元の振興局や市町村、観光協会、各団体が応援に駆け付け、山椒、えびせん、かんきつ類のゼリーやジュース、地酒、南高梅、イノブタの加工品などの試食・販売、観光パンフレットや紅葉情報の配布など、積極的に地元をアピール。7日午後3時からは会場のメーンステージで「南紀白浜円月太鼓」が披露された。各県、趣向を凝らしたブースを展開し島根県は産地直送の「サザエのつぼ焼き」を振る舞うなど、これからの旅行シーズンに訪れたくなる仕掛けもあった。 

 この催しは自主的な集まりである県人会が思いを一つにしてこそ成り立つもの。地元とのつながりを持ち、特産品やパンフレットの入手から当日の応援部隊の手配まで、多様な主体を巻き込み、それをボランティアで取り組む姿勢。地元を離れ長年がたち、東海地方の方言を話しながらも言葉の端々に地元の方言が聞こえ、一生懸命になって地元の食材を食べてもらおうと声掛けをする姿を拝見し、本物の「郷土愛」を実感させられ、胸が熱くなった。

 昨今はFacebookなどのSNSで地元のコミュニティーが形成されるなど、インターネットを使い、容易に「同郷」というキーワードで一つになれる機会が増えてきた。小さな単位であっても、全国に広がるネットワークを一つひとつの核として、それらが各々の形で連携しあい、郷土愛を深める輪になってほしい。
   (次田尚弘/名古屋)