水軒川の放置艇ゼロへ 和歌山県が桟橋など撤去


桟橋を解体する作業員ら

 和歌山市大浦地区の水軒川河口部に不法に係留・放置されているプレジャーボートを一掃する取り組みで県は21日、同じく放置された桟橋やはしごなどの撤去作業を開始した。台風や津波などの災害時に危険となるのを防ぐための対策で、地元の船舶愛好団体も協力し、10月5日まで行われる。

 県港湾空港課によると、水軒川河口部には約100隻の放置艇があったことから県は7月、移動・撤去を求める一斉指導を開始。係留は長年行われ、所有者の多くに不法の認識はなかったというが、大半は指導に応じ、9月21日現在で残り7隻に減少した。

 今回の作業は、無許可で設置され、不法艇を係留していた桟橋8本と、桟橋に降りるはしごや階段など約30カ所を撤去するもの。

 初日の21日は水軒大橋下の約100㍍の区間で行い、作業員は桟橋の板を剥がし、さび付いた骨組みをガスバーナーで焼き切るなどして解体した。

 地元の船舶愛好団体「わかやま雑賀クラブ」も協力し、この日は会員3人が船を出し、放置艇が残したブイの回収作業などに当たった。

 同クラブの上野山春明さん(56)は「以前は問題があると思われておらず、何十年も船を置いていた人もいた。撤去は時代の流れで仕方がないことで、協力してやっている」と話していた。

 県は、残る放置艇の所有者に引き続き移動を呼び掛け、応じない場合は行政代執行による強制撤去も視野に、年内の一掃を目指す。

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