WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

「熊野に三度」第一弾 那智大社で筝曲コンサート

演奏する西さんと高校生(熊野那智大社)

 9月14日から実施しているプレ和歌山デスティネーションキャンペーン(わかやまDC)の特別キャンペーンの一つ「熊野に三度」イベントの第1弾が、12日那智勝浦町と新宮市で開催された。

 「熊野に三度」とは、世界遺産「熊野三山」が有する幽玄・雄大な景観を舞台に実施するコンサートや舞台公演。那智大社、速玉大社、本宮大社の三社、それぞれで催されるイベントで、わかやまDC推進協議会の主催。

 今回は和歌山県を中心に文化振興を主な活動とするNPO法人和陽文化振興会が共催。那智大社で和歌山市出身の筝曲家・西陽子さんによる筝曲コンサートが、新宮市職業訓練センターで同市出身で慶應義塾大学教授の竹中平蔵さんの講演会が開催された。

 「西陽子筝曲コンサート」では西さんが講師を務める桐蔭高校筝曲部の生徒10人と同校OG3人との演奏や、アメリカ出身の打楽器奏者クリストファー・ハーディさんによるパーカッションなど、独創的で新しい筝曲の世界が、訪れたおよそ300人の観客らを魅了した。西さんは「一昨年の台風12号で被災された方々にお見舞い申し上げます。那智大社という素晴らしい場所で演奏できて感激」と話していた。

 筆者は同コンサートの企画に携わった。西さんからは「和歌山で生まれ育った高校生や、和の趣を演出する打楽器奏者との共演で、那智大社でしかできない演奏がしたい」との思いを聞いていた。その思いと、演奏中の風、周囲の音、匂いが融合し、その瞬間でしか味わえない五感で感じるプレミアムなコンサートであったと思う。「熊野」という神秘の空間と、演奏者の故郷・和歌山への思いが相まって、それを実現させたのだろう。
   (次田尚弘/和歌山)