三浦さんら6人1団体に 和歌山県文化表彰


(写真は県提供)

 県の文化向上、発展に貢献した人に贈られる平成25年度県文化表彰の受賞者が決まった。「文化賞」は和歌山市出身のガラス造形作家・三浦啓子(本名・圭子)さん(78)=兵庫県=、「文化功労賞」は歌人の多紀治子さん(95)=和歌山市=、漫画家の田村由美さん(51)=東京都=、ジャズ写真家の中平穂積さん(77)=同=の3人、「文化奨励賞」は和歌山市の劇団ZERO、ダンサーのNOBBY(ノビー、本名・東宣尚)さん(27)=和歌山市=、ピアニストの村田千佳さん(36)=東京都=の2人と1団体に贈られる。

 昭和39年度から実施している表彰で、本年度が50回目。表彰式は31日午後2時から県庁正庁で行われ、受賞者には表彰状とメダル、副賞が贈られる。

 受賞者の主な経歴と功績は次の通り。

 【三浦啓子さん】分厚いガラスをハンマーでカットし、エポキシ樹脂でつなぐ新しいステンドグラスの技法「ロクレール」を確立し、豊かな光を表現するガラス造形作家。教会や図書館、ホテルなどの壁面を覆った大作も多く、国内外の公共施設や美術館、さまざまな建築に取り入れられ、高く評価されている。

 【多紀治子さん】和歌山市出身。自らの歌作に加え、朝日新聞和歌山歌壇選者や歌誌「林間」和歌山支社前代表として、選考、歌評、歌論を行ってきた。平成20年度に県歌人クラブ名誉会長に就任。同クラブが中高生対象のユース短歌募集・表彰事業を開始した際に委員として尽力した。

 【田村由美さん】和歌山市出身。昭和58年にデビュー。平成2年から少女漫画誌に約8年間連載した『BASARA』で同4年に第38回小学館漫画賞を受賞。アニメ化、舞台化もされた。現在は小学館で『7SEEDS』(第52回同賞受賞)、集英社で『イロメン~十人十色~』を連載中。

 【中平穂積さん】旧本宮町出身。日本のジャズ創成期から約半世紀にわたってジャズミュージシャンの写真を撮り続けてきた、日本におけるジャズ写真の第一人者。さらに、経営者として、ジャズ喫茶・ジャズバーを文化人の集う場所として日本全国に広め、ジャズ文化を支え続けてきた。

 【劇団ZERO】和歌山市を中心に25年にわたって活動している劇団。観る人の心に残る音楽と踊り、ファッションショー感覚の舞台を目指して作品を制作上演している。英国の劇作家・シェークスピアの全編上演に取り組んでいる。

 【NOBBYさん】和歌山市出身。日本代表として平成24年にストリートダンス世界大会でベスト4に入り、ダンスアーティストとして初めて25年のサマーソニック大阪に出演。同市でダンススクール、コンテストなどを行い、ダンスの普及、発展と地域活性化に貢献している。

 【村田千佳さん】和歌山市出身。東京芸大大学院、ウィーン国立音楽演劇大大学院ピアノ科、ピアノ室内楽科修了。平成21年に国際シューベルト・現代曲コンクール入選、国際ハイドン室内楽コンクール審査員特別賞などを受賞。国内外で多彩な音楽活動を展開している。