大規模災害、ペットの避難どうする?

「家族の一員のペットの命を守って」と石田さん
「家族の一員のペットの命を守って」と石田さん

 将来確実に発生するとされている南海トラフ大地震に備え、県内各地で事前に災害に備えようと訓練が行われている。しかし、近年家族の一員として扱われるようになったペットについては、災害時にどのようにするかの議論が後回しの状態だ。このような現状を打破しようと災害時のペットの避難を考える動きが出始めている。

 無議論の現状に警鐘を鳴らすのが、60年以上の歴史を持ち県内で最も古い動物病院「石田イヌネコ病院」(和歌山市嘉家作丁)の動物看護士、石田千晴さん(54)。

 石田さんは、東日本大震災発生直後に、宮城県石巻市の被災地を訪ね、動物に関してのボランティア支援活動を行った。現地でペットに関して避難状況を聞いた際、地震発生当初は体育館など同じ場所に避難できたが、時間がたつにつれ別の部屋に移されたり、避難所を出て行かざるを得なくなったりしたという。

 石田さんは、「『ペットは家族の一員』という人が多い中で、県内でも被災時のことを不安に思っている飼い主も多い」とし「何もやっていない状態で被災すると、パニックになってしまうので避難時のルール作りや、ペットの避難訓練、飼い犬へのしつけなど準備することが大切」と訴えている。

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