WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

和歌山の箏がつなぐご縁 ブラジルで活躍・山田裕子さん

和歌山から持ち込んだ琴と共に写る山田さん㊧

 サッカーの2014年ワールドカップを控え、今話題のブラジル。日本から見て地球の反対側に位置するこの地に、琴の指導者として活躍する和歌山県民がいる。山田裕子さん。現地で和の文化を伝え広める山田さんの思いを2週にわたりうかがう。
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 私はJICA日系社会シニアボランティアとしてアマゾン地方のベレンという町で箏の指導をしています。ベレンには発足して27年になる「箏の会」がありますがこれまで指導者がいませんでした。そこで、箏の会では、JICAに指導者派遣の要請を出していましたが応募者がなく、今回を逃せば要請が打ち切られることを知った箏曲家の江戸信吾先生がブログで紹介し、それを私の師匠である和歌山県出身の西陽子先生が読まれ、私にメールをくださいました。

 「突然で驚かせてすみません。山田さん地球の反対側でかなり遠いけれど2年間だから行ってみる気はありませんか?…」。胸がドキドキしました。日本から一番遠い国で箏をしている人たちがいる、行きたいと思いました。絶対に反対すると思っていた母は、海外で自分の力を試すよい機会だと賛成してくれました。そして2人の子どもたちも「ママがんばれ! こんな機会逃したらあかんよ!!」。こうして家族の協力のおかげでJICAの試験に合格し、今まで和歌山を離れたこともなく一人住まいの経験もない私が、箏がご縁となりベレンの地を踏むことになりました。
(山田裕子/ブラジル・ベレン)