日本唯一の古代墨書き初めに675人 春日神社

松煙墨で力作に挑む参加者
松煙墨で力作に挑む参加者

 約2000年前中国で誕生、朝鮮半島から日本に伝わったとされる古代墨「松煙墨」を使った日本で唯一の書き初め会が1、2の両日にわたって海南市大野中の春日神社(三上秀信宮司)で行われ、硬筆も含め675人の小中学生が力作に挑んだ。

 松を原料とする松煙墨は、かな文字が使われ始めた平安時代には、紀の国の特産だったが、時代の移り変わりとともに油煙墨が多く使われ、今回の書き初め会でも奈良の専門業者から特注で取り寄せた墨汁が使われた。松煙墨は、油煙墨のような光沢がなく、落ち着いた色合いが特徴。参加者たちは、筆にしっかり墨を含ませながら「ご来光」や「若人の力」「大志の子」「日進月歩」など年の始まりにふさわしい思い思いの作品で上達を願った。

 毛筆は19回目、硬筆は18回目を迎えたが、監督官を務めた近畿大学講師の小西浩太さんは「ことしは力強い作品が多いように思う。墨の美しさもあり、落ち着いた出来栄えが注目される」と子どもたちの頑張りをたたえた。

 入賞等の結果は、10日ごろに神社内に掲示するほか、20日からは同神社のホームページでも紹介する。展示は18日から25日まで、表彰式は最終日の25日で、いずれも同神社で行われる。

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