「鬼は外!」 各地で豆まき盛り上がる

懸命に手を伸ばす参拝者(紀三井寺)
懸命に手を伸ばす参拝者(紀三井寺)

 節分の3日、県内各地の寺社で豆まきが行われた。

 和歌山市紀三井寺の紀三井寺(前田孝道貫主)では毎年恒例の福男(年男)による「福つき大豆まき」があり、約300人が福を授かろうと参拝。本堂前には人間の欲望や冷たい心を具現化した赤鬼と青鬼が暴れながら現れ、前田貫主と裃(かみしも)を着た福男6人が威勢良く「鬼は外! 福は内!」と豆をまいて退散させた。その後「厄(やく)を払い、福を授かりましょう!」と境内で豆まきが行われると、参拝者は形相を変え、福を授かろうと懸命に手を伸ばした。

 学校帰りに参拝した中学1年生、藤本里穂さん(12)と松井桃花さん(13)は「すごい人の数で熱かった。ことしも勉強を頑張りたい」とにっこり。前田泰道副住職は「いろんな厄を振り払って、福を持ち帰っていただけたら」と話していた。 

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 同市関戸の矢宮神社(矢田部弘州宮司)では夜、節分祭が行われた。
 神事の後、境内で行われた豆まきには親子連れなど地域住民ら約300人が参加。役員らの「鬼は外、福は内」の掛け声の中、裃(かみしも)姿の神社崇敬者ら7人が豆、餅、菓子などをまくたびに、境内は「こっち、こっち~」と手を差し出す参拝者らの熱気に包まれた。矢田部宮司(73)は「福豆や福餅で皆さんに幸せになっていただければ」と話していた。

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 紀美野町小畑の野上八幡宮(薮洋平宮司)では初めて。氏子を中心に地域住民らが参拝した。地元の八幡工房、大阪の永田産業が協賛。太鼓を鳴らし、薮宮司、八幡工房の井澤正憲さん(42)、岳丸君(野上小6年)、里映ちゃん(同2年)親子が「鬼は外、福は内」と唱えながら当たりくじ入りの福豆と菓子をまいた。
 参拝者はビニール袋をいっぱいに笑顔満開。厄を〝避け〟る「酒」、体をふく(福)タオルなど景品を持ち帰り、岳丸君、里映ちゃんは「新しい縁がありますように。力を合わせて笑顔いっぱいの年にしたい」と話していた。

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