駿河屋が破産手続きへ 老舗の歴史に幕

29日の従業員への通知文書
29日の従業員への通知文書

 民事再生法手続き中の老舗和菓子メーカー、駿河屋(本店=和歌山市駿河町)は29日、全店舗を閉鎖し、正社員約110人を含む全従業員を解雇した。模索していた事業譲渡は断念し、破産手続きに移行する。長年地元に親しまれてきた県内最古の老舗の歴史は幕を閉じた。

 わかやま新報が入手した、ことし3月の従業員への通知文書によると、西宮市に本社を置く菓子メーカーを事業再建のスポンサーとし、従業員の雇用を最重要課題に交渉を進めるとしていた。しかし、今月29日の通知では、4月28日に締結した事業譲渡契約を今月30日に実行する予定が、製造会社の人員確保や物流体制などが整わず、断念に至ったと説明。一転して破産手続きに移行した。

 30日正午、駿河屋本店の電話は「本日の業務は終了しました」と留守番メッセージになっていた。

 東京商工リサーチによると、駿河屋の会社設立は昭和19年3月。負債総額は9億479万円(3月末時点)。パートを含む従業員数は200人を超えていた。

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