エルトゥールル映画 12月撮影開始

明治23年(1890)に串本町大島沖で遭難したトルコ軍艦「エルトゥールル号」を題材に、日本とトルコ合作で映画プロジェクトを進める田中光敏監督(56)が23日、県庁の仁坂吉伸知事を訪問。12月にクランクイン、県内で撮影を行うことを報告し「和歌山から世界に向けて真心を発信したい」と意気込みを語った。

映画は、エルトゥールル号遭難事故で大島の住民が献身的な救助で乗船者69人を救出したことや、昭和60年(1985)のイラン・イラク戦争時、イランのテヘラン空港に残された日本人を、トルコ政府が恩返しとして特別機を飛ばして救出した出来事を含めて、日本とトルコの友好の絆を描くもの。

映画のタイトルは「東の太陽、西の月」(仮題)。すでに両国の主演俳優は決定しており、撮影準備を進めているという。

知事室を訪れた田中監督は、これまでの協力に対する感謝を伝え「トルコ側は『世界に向けて発信する平和宣言でもある』と期待している。できるだけ和歌山の現場で撮影し、友好の絆の物語を発信したい」と話した。

仁坂知事は「わくわくしますね。県としても協力し、私も通行人にでも出演させてもらえたら」と和ませた。

田中監督によると、県内での撮影期間は約1カ月半。今後は地元エキストラを募るなどして串本町周辺を中心に4カ所でロケを実施。その後トルコで撮影し、来年秋の劇場公開を目指している。

仁坂知事に映画への思いを語る田中監督㊨

仁坂知事に映画への思いを語る田中監督㊨

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