プールで使える水歩計 電器店が開発

 水中と陸上の兼用で歩数などの運動量を計測できる新しい機械「水歩計」を、和歌山市鷹匠町の電器店、オオマチデンキ(道屋悦司社長)が開発した。現在は試作品の段階だが、商品化に向けてデザインなどに磨きをかけていく。道屋社長(67)は「ターゲットは主に団塊世代ですが、足腰のリハビリなど、皆さんに使っていただければうれしい」と話し、夢を膨らませている。

 開発のきっかけは3年前。健康志向の高まりから、プールで歩く高齢者が多くなる中、浮力が働く水中で体の動きを測定する機械がないことから「自分でつくろう」と考えた。試作、実験を繰り返し、歩数計測、強度、正確性、防水性など機能面での課題を解決してきた。

 「水歩計」は、直径5㌢ほどのケース内に、電池、加速度を計るセンサー、コンピューター、数字を表示する液晶を組み込んでおり、ケース表面にはプラスとマイナスの電極が取り付けられている。水中では電流が流れ、水から出ると電流が止まるという水の通電の原理を利用し、オンとオフの切り替えによって数がカウントされる仕組みになっている。

 水の表面張力を小さくするために電極の周辺をシリコンで覆い、水をはじかせることで、性能を良くする工夫もしている。

 腕時計のように身に付け、例えば、成人男性が25㍍のプールを歩いた場合のカウント数は22、クロールで泳いだ場合は18程度となる。

 陸上では、加速度センサーに切り替わり、歩数をカウントする。バンドの先に付いた磁石を水歩計に近付けることで、カウントをゼロに戻したり、電源を切ったりできる。

 開発した装置は「水中運動量計」として特許を取得。「水歩計」の名称も商標登録を済ませた。

 将来的には、スマートフォンやパソコンと連動させ、計測した数値を記録・保存できる機能も考えている。道屋社長は「これも地産地消の取り組み。友人に協力してもらいながら、県内で水歩計を作り上げたい。紀の国わかやま国体・大会までには試供品を完成させたい」と話している。  

水中歩行の計測試験をする道屋社長㊨ら

水中歩行の計測試験をする道屋社長㊨ら

液晶画面に数値を表示

液晶画面に数値を表示

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