現場を取材し改善する政治 衆院法務委員会での質問から

門 博文

 年末に向けて何かと慌ただしくなってきておりますが私は去る11月12日、衆議院法務委員会で質問をさせていただきました。法務委員会は法務行政について全体的に質疑をされる場です。私はこの度、自身が直接現場を見て、そして当事者からお話しを伺った点について質問を致しました。

 まず、保護司制度についてです。地域で保護司をされている方何名かとはずっとお付き合いがありましたが、その業務の実態やご苦労をあらためて今回伺いました。そもそも保護司は民間のボランティアとしてたとえば仮出所や少年院を出院した方が社会に復帰し、就労をすること、生活などを見守り支えてくれるような活動をしていただいております。ボランティアとはいえ地域や時期によってはこの保護司活動が自分の仕事を犠牲にするようなこともあるということで、これらの負担をおかけすることに法務省当局はどう考えているのか尋ねました。法務省としても現状はよく把握しているとのことでしたが今後、新任の保護司さんを確保していくのにはさまざまな工夫が必要だとのことでした。また「刑の一部執行を猶予する」法改正に伴って保護司の業務もさらに負担をかけることになるとのことでした。

 続いて、仮出所者等の就労支援についてお尋ねしました。これは市内に本社をおかれている株式会社信濃路様がこの分野に大変熱心にお取り組みで、またそのことによって先般、社長様が法務大臣表彰を受けられたとお聞きしましたので実状を伺ってまいりました。出所者の状況についてはさまざまな問題があるようです。例えば「居場所」、住まいの確保について当人の蓄えなどではなかなか対応できず大変困っているとのことでした。この件については日本財団が「職親プロジェクト」ということで一カ月8万円を半年間補助してくれる制度がありがたいとのことでした。そこで、私から公的制度として検討してはどうかと問うた所、すでに平成27年度の概算要求で法務省としてもこれら支援の予算要求をしているとのことでした。従って今後は法務省と協力して私もこの予算の獲得に協力していこうと思います。

 次に法務省の特別矯正監をされており、日頃からご指導を頂いております杉良太郎さんから伺ったご意見を参考に質問致しました。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが杉さんは五十年余に渡って刑務所のさまざまな問題について取り組んでおられます。今回は特に就労支援問題について刑務所内での訓練に御意見を頂きました。出所後の就労を見越してもっと労働市場でどんな職種が求められているのか具体的に需給両側のニーズがフィットするように訓練の内容を考えて対応するべきとのことでした。例えば建設の現場や農業など一次産業に労働力が不足しているということであればその分野の技術を職業訓練するべきだとのことです。この問いに対して当局からは現在もすでに柔軟な対応を心掛けているがさらに需要がマッチするような取り組みを進めていくとのことでした。

 最後に和歌山刑務所の課題についても尋ねました。質問に先立って私は現地を訪ねました。木下所長以下職員の方から現状や課題について直接、生の声を聞かせていただきました。女性が中心の職場でなおかつ24時間365日稼働している現場です。私もホテルで勤務した経験があり、9時~5時の職場に比べて色々な過酷な問題があります。現場の女性職員はこれらのことも理由の一つとして若年者の定着率がよくないようです。従って職員の年齢構成がどうしても若年層の入れ替えによって偏りがあるとのことでした。また慢性的な人不足をそれぞれに負担をかけて補っているとのことでした。私は人員の増強、そのための予算措置の必要性を質し何としても現場の働く環境が好転することを求めました。これに対しては法務省からも前向きな回答が得られ早々に現場にもお伝えした所です。

 私は政治家の役割の一つはこのように現場で何が起こっているのかをつぶさに取材しそれを改善していくことだと思います。今回あらためてそのことを痛感しました。今後もこの姿勢を保ち活動を続けてまいります。宜しくお願い致します。

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