商店街を一括で免税店に 県は取扱店舗の伸び率トップ

鶴保 庸介

 平成27年度の税制改正大綱、年の瀬も迫った12月30日に取りまとめ、発表となりました。

 毎年もう少し早い時期に翌年度の税制の方針を定めるのですが、昨年末に行われた総選挙の影響で、本当の年末になってしまいました。

 私の関わった税制改正は狩猟税や住宅関連税制などですが、今回は特に観光について報告。
 今年からいよいよ免税業務の委託ができるようになります。

 これまで免税手続きは店の業務に関わっている者、すなわち店の従業員しか手続きができなかったのですが、これからこの手続きの外部委託ができるようになります。

 わかりにくいと思いますが、これ、大きいんです。
 今、外国人がたくさん日本に来て買い物をしてくれています。5000円以上の買い物をしてくれた場合(一部例外はありますが)、ほぼ全ての品目について消費税が店頭で免税されるようになったことはご存知ですよね。これによって連日報道されています通り、外国人の訪日数が飛躍的にのびたとまでいわれ、経済効果も2兆円を超えるまでになりました。

 えへん。
 しかし私はこの場合も、和歌山県のような地方にとっては完全な仕組みではないと指摘してきたわけです。

 というのも、例えばぶらくり丁のような商店街で、「各店舗ごとに外国人対応をして下さい」といっても、英語や中国語で免税の仕組みや手続きを説明してもらうのは少々ハードルが高いですよね。

 おばちゃん、これいくら? 消費税の免税があるんだぁ。なるほど。じゃあいくらまけてくれんの?」「パスポート見せて、ここにこれこれを書いて」なんて英語でやり取りをしろと言われても、「うち、そんなややこしいこといらんわぁ」となる恐れがあります。商店街の店の一つがこうして免税取り扱い店舗でなくなると、外国人にとっては免税の店とそうでない店が入り混じることになり、非常にわかりにくく、買い物しづらいことになってしまい、客足が遠のくのです。

 外国人もネット情報で細かく調べてきますから、これは確実にそうなります。

 そこで、今回の改正で商店街でまとまって免税取り扱い店舗になっていただいて、それら複数のお店の、共通の「免税手続き所」を作ることができるようになるのです。

 これによって商店街のどこのお店に外国人が入ってきても、「あそこに行って下さい」とだけ言えれば、手続きは一括して行ってもよいことになるのです。もちろん、この手続き所は商店街で取り決めて場所や人を決めてもらうことになりますが、お茶も化粧品も、お酒も、農産品もお菓子も、なんもかんもが外国人向けの「輸出」ができるようになると思えば、商店街でまとまってこれを使わない法はありません。

 おかげさまで和歌山は絶対数はまだまだ少ないですが、昨年、免税手続き取り扱い店舗になった数の伸び率は全国一です。

 たぁくさんの外国人が世界遺産や温泉に訪れてくれている現状を思う時、少しでも前へ。

 今年はより良い一年でありますよう。

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