世界初! キャンディーロケット打上成功

 ソフトキャンディーを燃料に使用した世界初の「ハイブリッドロケット」が7日、和歌山市加太のコスモパーク加太で打ち上げられた。全長1・8㍍、重さ8㌔のロケットが空へと昇っていき、見学していた日本宇宙少年団和歌山分団の小中学生ら20人と保護者からは歓声や拍手が起こった。

 キャンディーロケットは、宇宙研究・ロケット開発の権威である国立天文台チリ観測所の阪本成一教授と、秋田大学秋田宇宙開発研究所の和田豊所長、和歌山大学宇宙教育研究所の秋山演亮所長らが中心となり、菓子メーカーのUHA味覚糖㈱(大阪市)の協力で立ち上げたキャンディーロケットプロジェクト実行委員会が開発した。

 同社のソフトキャンディー「ぷっちょ」を筒状の燃焼器に入れ、酸化剤である液化ガスを加えることにより、キャンディーが溶けながら燃えはじめ、ガス化したものが勢いよく噴射されて飛ぶ仕組み。燃料に必要なキャンディーの数は約20個で、当日は見学に来ていた子どもたちが燃焼器にキャンディーを入れる場面もあった。

 打ち上がったロケットは7秒で最高到達点248㍍に達し、パラシュートが開き、ゆっくりと地面にたどり着いた。

 打ち上げに参加した秋山所長は「今回の打ち上げを見て、大人になったら、こんな楽しいことをやってみたいという子どもが少しでも増えれば。打ち上げは大成功で、ばっちり真っすぐ上がった」。ロケットのエンジンを担当した和田所長は「風が少し吹いていて心配だったが、きちんと飛んでよかった。今回でソフトキャンディーが燃料に使えると実証された。将来的には、宇宙に非常食として持って行ったソフトキャンディーが、非常時に燃料にもなる」と笑顔を見せた。見学に来ていた同市黒田の松元律樹くん(12)は「キャンディーで飛ぶのがびっくりした。世界初を見ることができてうれしかった」、紀の川市の稲垣朱音さん(11)は「すごかった。たったキャンディー20個であんなに飛ぶとは思っていなかった」と驚いていた。同実行委は、キャンディーロケットの開発と打ち上げの模様を収録したスペシャルムービーをインターネット(http://youtu.be/80gwq7vNtUw)で公開している。

打ち上げられたロケット(UHA味覚糖提供)

打ち上げられたロケット(UHA味覚糖提供)

燃焼器にキャンディーを入れる見学者

燃焼器にキャンディーを入れる見学者

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