東洋ライスに環境大臣賞 無洗米生産で

 米の総合メーカー、東洋ライス(本社=東京都・和歌山市黒田、雜賀慶二社長)は、地球環境の保全と産業発展の共生に貢献した企業や自治体、団体などを表彰する「第24回地球環境大賞」(フジサンケイグループ主催)の「環境大臣賞」を受賞した。BG無洗米の生産により、米のとぎ汁公害やCO2排出量を削減した取り組みが評価された。

 米のとぎ汁にはヘドロの原因となる沈殿物が大量に含まれ、下水処理場を通らない水域ではヘドロ化する。また、とぎ汁には油、リン、窒素も大量に含まれているので水質汚染の原因にもなる。

 同社は平成3年、とぎ汁が出ないBG無洗米を世界で初めて開発し、翌4年度の生産開始から24年度までの21年間に538万4501㌧を生産。その結果、とぎ汁を原因とするヘドロで19万3842㌧、とぎ汁を下水処理場で処理するために発生するCO2排出量では33万3839㌧の削減になる。

 また、24年からは、BG無洗米製造時に出る副産物(ぬか)を「米の精」として商品化し、ほぼ全量を有機質肥料や飼料として循環型農業に有効利用。さらに、「米の精」を活用した健康でおいしい作物づくりと、生き物であふれる土作りを行う子ども向け体験型環境教育推進プログラム「いきものみっけファーム」など、次世代の育成にも取り組んでいることが評価された。

 雜賀社長は「『技術を創造して、社会に高度の貢献をする』との社是で開発した無洗米によって環境浄化に寄与したとして、このたび栄誉ある賞を受け光栄。いっそう社会に貢献を目指す」とコメントしている。

 地球環境大賞は、地球環境に対する保全意識の向上を目的に平成4年、産業界を対象とする顕彰制度として、公益財団法人世界自然保護基金(WWF)ジャパンの特別協力を得て創設された。

 今回は企業、学校、市民団体など102件の応募があり、「持続可能な社会の実現に向けて高い環境理念や行動計画を持っているか」「独創性、先導性があるか」などを規準に審査。「大賞」「経済産業大臣賞」「環境大臣賞」など8賞が決まった。

 授賞式は4月9日、東京の明治記念館で行われ、秋篠宮ご夫妻が出席される。

東洋ライス本社(和歌山市黒田)

東洋ライス本社(和歌山市黒田)

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