定数38に48人が出馬か 和歌山市議選

統一地方選後半戦の和歌山市議選(定数38)は19日、告示まで1カ月に迫った。立候補予定の多くの陣営は、事務所開きもすでに済ませ、投票日に向けて後援会活動を活発化させている。2月16日に行われた立候補予定者説明会には49陣営が出席したが、男性1人が立候補を見送り、現在は48陣営での選挙戦突入が濃厚となっている。

市議選の投票率は低下傾向が続き、平成23年4月の前回の投票率は42・95%。今回も投票率アップの材料は乏しく、投票率は低調のまま推移するとみる陣営が多い。ある現職議員は「政治への関心は高まってほしいが、投票率が低ければ、支持者からの票が確実な現職有利。当落の観点から考えると低い方がいい」と複雑な心境を話す。

前回選挙では、定数が2減された38議席に、現職30人、元職2人、新人13人の計45人が立候補。現職10人の引退などから、現職と新人の大きな入れ替わりが予想されたが、結果は現・元職の全員が当選し、新人の当選は6人のみと、現職有利が際立った。

今選には現在、新人14陣営が名乗りを挙げており、残り1カ月となった前哨戦で現職陣営の牙城の切り崩しを図る。昨年8月の市長選に挑戦した元職2人、新人2人も立候補を表明しており、市長選の勢いを保持し、上位当選を狙いたいところだ。

今選の注目の一つは、前回トップ当選し、昨年9月に死去した自民党の和田秀教氏が獲得した6310票の行方。和田氏の実妹や和田氏の後援会事務局長を務めた新人男性に票が流れるとの観測が広まっている他、和田氏の地盤である野崎地区周辺の候補者にも票の積み増しが見込まれる。トップ当選争いでは、議長を務めるベテラン議員と勢いに乗る若手現職らが競り合うとの見方がある。

政党別では、公明党は現職の岩井弘次氏が県議会に挑戦するため、後任に新人女性の擁立を決めている。共産党も、引退する渡辺忠広氏の後任に新人女性を擁立し、女性の議席増を狙っている。自民党は現職4人を公認し、新人1人を推薦。民主党が現職2人公認の他、維新の党が新人2人、次世代の党が現職1人、幸福実現党が新人1人をそれぞれ公認。各党の得票争いも過熱しそうだ。

立候補予定者の居住地別では、紀の川以南の北部に約20人が集中しており、草刈り場の様相を呈している。特に鳴神では4人が出馬を予定し、激しい票の奪い合いが予想される。紀の川以北では、梅原から3人が出馬予定となっており、こちらも火花散る激戦になりそうだ。


立候補を予定しているのは次の各氏(五十音順、丸数字は当選回数)。

井上直樹(42)=自民現③・和歌浦東=、上田康二(68)=無所属現①・栗栖=、宇治田清治(63)=自民現④・広瀬中ノ丁=、浦平美博(43)=次世代現①・梅原=、遠藤富士雄(67)=無所属元⑤・鳴神=、岡田教子(62)=無所属新・市小路=、小川孝夫(48)=無所属現①・梅原=、奥山昭博(52)=公明現③・西庄=、尾﨑方哉(48)=無所属現③・湊御殿=、加勢田城豪(40)=無所属新・湊=、北野均(65)=無所属現⑤・内原=、小早川正和(61)=無所属新・中之島=、坂口多美子(39)=共産新・伝法橋南ノ丁=、佐伯誠章(70)=無所属現⑥・中之島=、芝本和己(46)=無所属元③・島橋南ノ丁=、寒川篤(65)=無所属現④・古屋=、園内浩樹(54)=公明現①・梅原=、戸田正人(47)=無所属現③・加納=、中尾友紀(54)=公明現③・坂田=、中筋光男(67)=無所属新・自民推薦・鳴神=、中谷謙二(44)=自民現①・六十谷=、中塚隆(58)=公明現②・西浜=、永野裕久(41)=民主現②・三沢町=、中村朝人(36)=共産現①・舟津町=、中村元彦(52)=無所属新・小雑賀=、西風章世(55)=公明現①・砂山南=、丹羽直子(42)=自民現①・栄谷=、野嶋広子(64)=無所属現③・本脇=、畑武明(54)=無所属新・西小二里=、浜田真輔(53)=無所属新・府中=、林隆一(52)=維新新・福島=、姫田高宏(60)=共産現⑤・塩屋=、平山利恵(40)=無所属新・栄谷=、古川祐典(47)=無所属現③・秋月=、堀良子(49)=公明新・弘西=、松井紀博(48)=無所属現③・北島=、松坂美知子(58)=共産現①・吉田=、松本哲郎(58)=公明現③・鳴神=、三木菊美(43)=幸福実現新・狐島=、南竜也(38)=無所属新・杭ノ瀬=、南畑幸代(64)=共産現④・善明寺=、森下佐知子(51)=共産現⑥・鳴神=、薮浩昭(51)=公明現②・有本=、山田好雄(75)=無所属現⑦・吉原=、山野麻衣子(33)=維新新・下町=、山本宏一(60)=無所属現④・田中町=、山本忠相(36)=民主現②・今福=、本昌純(58)=無所属現②・吉原=

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