社会人基礎力を育成へ 和工生が職場実習

 和歌山市西浜の県立和歌山工業高校(中前耕一校長)は、職場や社会で必要な力「社会人基礎力」が養われているかを検証するため、化学技術科の生徒3人が民間企業で職場実習を行っている。経済産業省の事業として全国11の工業高校が選定され、各地で実習を行っている取り組み。近畿では同校のみ。

 実習先は、繊維加工用合成樹脂などの製造を行っている同市栄谷の三木理研工業㈱。3人は、ことし4月から今月末まで、7回の実習を行い、現場の仕事を体験する。

 企業側は、有識者らによる委員会が定義した3つの能力(力)に基づき、主体性や実行力などの項目「前に踏み出す力」、課題発見力や計画力を見るなどの項目「考え抜く力」、発信力や柔軟性などの項目「チームで働く力」が養われているかを評価する。評価結果に基づき学校側が、今後の教育に反映させるという。また、同社では、メモ取りやあいさつ、事故回避の注意力など基礎的なことも必要視して実習を行っている。

 4回目の実習となった6月1日、3人の生徒は、現場の従業員に作業方法の指導を受け、一斗缶に納付先シールを貼るなどして仕分け作業を行った。

 白川巧斗君(17)は「普段は見えない会社の内部まで見ることができて、『仕事』を現実的に捉えられるようになりました」と実習の成果を話していた。

従業員から指導を受ける生徒ら(右側)

従業員から指導を受ける生徒ら(右側)

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