40回の節目迎える 日前宮「薪能」26日

 和歌山市秋月の日前宮(紀俊武宮司)が主催する第40回「日前宮『薪能』」が26日、同境内で催される。ことしは40年目の記念の回。演目は、和大付属中学校の宮楠昂之(たかゆき)君の舞囃子「吉野天人」、茂山七五三(しめ)さんの大蔵流狂言「鬼瓦」、同市の能楽師・小林慶三さんによる観世流仕舞「羽衣」、分林道治さんの観世流能「高砂」で、記念回にふさわしい、めでたく華やかな舞台が繰り広げられる。

 和歌山の夏の風物詩とも言える恒例の催し。能のクライマックス部分のみを演じる舞囃子は、宮楠君が、桜を見ようと吉野山に来た男の前に現れた天人が、世にも美しい舞を舞う場面を再現。同市の小林慶三さんは、三保松原の羽衣伝説をもとにした仕舞「羽衣」を披露する。

 狂言「鬼瓦」のあらすじは、遠国の大名は、太郎冠者を伴い因幡堂の薬師如来に参詣する。大名が薬師如来を国元にも祭りたいと思い堂内を見ていると、鬼瓦に目がとまる。鬼瓦が国元の妻に似ていると泣き出す大名を、太郎冠者がなぐさめ、2人は大笑いする。

 能「高砂」は、九州阿蘇宮の神主、友成は上京の途中、播州高砂の浦で老夫婦から高砂のマツと住吉のマツを合わせて「相生のマツ」という、いわれを聞く。老夫婦は自分たちがマツの精、神の化身であると告げると、住吉に友成を誘い姿を消す。友成が住吉に着くと住吉明神が現れ、神々しくさっそうと舞い、泰平の御代をことほぎ、平安の世を祝福する――という物語。 

 午後6時半から。雨天決行。夏祭り(午前9時~)と併催。午前9時半からは、無病息災を願う茅(ち)の輪くぐり神事もある。

 入場は無料だが入場券が必要。一人1枚で先着600人。希望者は社務所まで取りに行くか、封書(82円切手貼付の返信用封筒を同封)で申し込む。また当日は駐車場がないので、電車またはバスで来場を呼び掛けている。問い合わせは日前宮(℡073・471・3730)へ。

能「高砂」の一場面

能「高砂」の一場面

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