【AR】連夜の盛況 ぶんだら&おどるんや

 和歌山市の真夏の風物詩「第47回紀州おどり『ぶんだら節』」と「おどるんや~第12回紀州よさこい祭り~」が1日、けやき大通りや本町通りなどで同時開催された。昨年は雨でぶんだら節は中止され、2年ぶりにそろい踏みした2大イベントは約15万人でにぎわった。「おどるんや」は2日も行われ、中心市街地は踊り子と来場者で埋め尽くされ、熱気に包まれた。

 「ぶんだら節」には56連、約6000人が参加し、六番丁交差点から和歌山城西の丸広場までの約700㍍の区間を踊り、練り歩いた。

 第1部はアップテンポな「ニューバージョンぶんだら21」にのせて、開幕が近づく紀の国わかやま国体をPRする県庁連をはじめ14連が登場。バスケットボールチーム「和歌山トライアンズ」連は、統合リーグ入りを目指すチームをアピールし、新チームの支援を表明している前ヘッドコーチの石橋貴俊氏やブースターらが参加した。

 第2部は「正調ぶんだら節」に合わせて42連が踊った。黒潮躍虎太鼓の迫力ある演奏と雑賀衆の火縄銃演武が始まりの合図となり、就任後初めてぶんだら節を迎えた尾花正啓市長が、陣羽織に兜(かぶと)の姿で、雑賀衆に鉄砲発射を告げる「放て」の声を掛け、采配を振るった。各連はそろいの浴衣や衣装に加え、横断幕などのグッズで所属団体をアピールしていた。

 

 「おどるんや」は2日夜、フィナーレを迎えた。真夏の炎天下、先月26日の開幕から計3日間を踊り切った踊り子たちは涙々に抱き合い、達成感や喜びを分かち合った。

 今回は県外16チーム(過去最多)、初参加11チームを含む計91チーム約3500人の踊り子が参加。オリジナル地方車は13台登場した。

 夜がふけるとともに踊り子たちの疲れはピークに達し、汗と涙でメークはぐしゃぐしゃ。地方車の爆音が祭りのテンションを最高潮に押し上げた。

 ことし結成10周年を迎えたチーム「憂喜世桜」(和歌山市)の出口実侑さん(17)=和歌山東高校2年=は感極まり、仲間と号泣。「小学2年生の時から出ているけれど、ことしが一番楽しかった。これまでのことが一気にあふれてきた」と目を赤く腫らしていた。

 審査発表は和歌山城砂の丸広場で行われ、おどるんや大賞に「紀州龍神」(和歌山市)、金賞に「和歌山MOVE」(同)、銀賞に「関学よさこい連 炎流」(兵庫県)が輝き、ステージで再演舞を披露した。

 審査員代表の池端秀之さんは「すごい接戦。一番感動するのはやはり笑顔だが、今回は心に響くチームが非常に多かった」と講評。主催した「NPO紀州お祭りプロジェクト」の西平都紀子会長は「祭りを通じて和歌山が元気になれるように、皆さんと今後とも盛り上げたい」と語った。

パレードのラスト、涙をこらえながら踊り切る女性(おどるんや)

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