紀の国わかやま国体開幕 44年ぶりの祭典

 東日本大震災復興支援、第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」が26日、開幕した。天皇、皇后両陛下の臨席の下、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で総合開会式が盛大に行われ、全国各地から集まった選手団や大会関係者、一般観覧者ら約2万人が参加。「躍動と歓喜、そして絆」をスローガンに、10月6日まで11日間の熱戦が展開される。

 昭和46年の黒潮国体以来44年ぶりの県内開催。午前9時の開場とともに大勢の一般観覧者らが入場し、強い日差しと会場の熱気に汗をぬぐった。国体マスコット「きいちゃん」のグッズや、県自慢の特産品などを販売する「きいちゃん広場」は開場とともに大盛況となった。

 式典を前に午前11時から、約1400人の県民によるオープニングプログラムがスタート。地域の祭りや勇ましい和太鼓演奏、映像プログラムなどで和歌山の魅力を発信。「きいちゃんダンスコンテスト」の入賞チーム約480人によるダンスも元気いっぱい披露された。女優の藤原紀香さんや、国体イメージソング「明日へと」を作詞作曲した歌手のウインズ平阪さんら特別出演者も、歌やトークで盛り上げた。

 午後1時半、天皇、皇后両陛下が席に着かれ、ホラ貝の音とともに式典前演技が開始。「紀の国の〝みち〟」をテーマに、「森」「海」「心」「未来」の4つのみちを全4章のストーリーに仕立てたパフォーマンスや歌で、和歌山の魅力を全国に伝えた。式典では県内30市町村で採火した火を一つに集めて炬火(きょか)台にともし、選手を代表して県選手団の阪本直也=カヌー=、西岡詩穂=フェンシング=両選手が力強く宣誓した。

 上富田町から訪れた石垣帆乃香さん(13)は「すごく会場がきれいで、人が多くて、わくわくしてきた。とても楽しみ。県代表の選手には日頃の練習の成果を十分に発揮して、負けずに頑張ってほしい」。44年前の黒潮国体で炬火リレーに参加したという、美浜町の松洋中学校教頭の吉川徹さん(58)は「国体は何度か選手として参加し、地元の方とふれ合ったいい思い出があります。教え子も出場するので、活躍を期待したいです」と話していた。

オープニングを飾ったながやま保育園の和太鼓演奏

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