メダル127個の大健闘 わかやま大会閉幕

 第15回全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」は26日に3日間の全日程を終え、閉幕した。閉会式は和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で、高円宮妃久子さま臨席のもと行われ、全国から集まった約5300人の選手たちに、観客から惜しみない拍手が送られた。県勢は金56個、銀33個、銅38個の計127個のメダルを獲得、7つの大会新記録を樹立する健闘を見せた。

 閉会式前のオープニングプログラムでは、田辺市出身の俳優・小西博之さんが手話グループ「チームサイン」のメンバーと、大会のイメージソング「明日へと」に乗せ、手話を交えた踊りを披露した。

 式では、大会会長の仁坂吉伸知事が「選手相互の友情や信頼、観戦に来られた方やボランティアとの交流など、参加した全ての人々の絆が深められ、障害者に対する理解と交流の輪が広がったと確信している。この輪をさらに広げ、障害のある人もない人も共に支え合い、安心して暮らせる社会を実現していこうではありませんか」とあいさつした。

 会期中にともされた炬火(きょか)が納火され、来年の開催県、岩手県の達増(たっそ)拓也知事に仁坂知事から大会旗が手渡された。
エンディングでは歌手の堀内孝雄さんのステージで盛り上がった。

 退場の際には、県選手団が出口で全国の仲間を見送った。「ありがとう」「また来てね」「気を付けて帰ってね」などと笑顔で声を掛け、ハイタッチをしたり、抱き合ったり、互いの県の小旗を交換するなどして別れを惜しんでいた。

 大会期間中は運営に約2400人、手話通訳などに650人、選手の介助に1200人など、大勢のボランティアが携わった。わかやま国体に続き、歓迎案内係として会場の美化ボランティアに参加した同市中之島の近藤友余さん(65)は「障害のある方と、これほど身近に接する機会はなかったです。全国から来られたお客さんとふれあい、一生の思い出になりました」と笑顔。

 また、オープニングプログラムに参加した「チームサイン」のメンバー、同市築港のケアマネジャー尾崎晴美さん(54)は「『こんなことで負けてたらあかん』と、選手の皆さんから元気をもらいました。社会も人も、障害のある方に対してもっと優しくなれたら。この大会をきっかけに、理解を深められたらいいですね」と話していた。

笑顔で競技場を後にする選手たち

笑顔で競技場を後にする選手たち

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