虐待から児童守れ 県、市、県警が訓練

児童虐待事案の発生に備え、児童相談所と県警などは25日、和歌山市木ノ本の県警察学校で、摸擬家屋を使った事案の実戦的な合同訓練を行い、各機関が立ち入り調査などの連携を確認した。

児童虐待事案を担当する県や市の職員、県下10警察署の署員ら44人が参加。

児童相談所と警察が連携する訓練では、小学校から「登校していない児童がいる」との通告を受けた児童相談所職員が、市営住宅の担当課の市職員、警官と自宅を訪問。父母が面会を強硬に拒んだことから、裁判所からの臨検・捜索の令状に基づき、ドアチェーンを切断して、強制立ち入りを実施した。激しく抵抗する父親役に対し、警官が制止するなど役割分担して児童を保護するまでの流れを実践した。

訓練を終えた同所の堀寿恭所長(59)は、「近年、児童虐待の認知が広がっているので、市町村や学校、警察と連携して児童の保護に努めたい」と話していた。

昨年度の県内の児童虐待相談件数は932件(前年度比139件増)で、5年連続で増加した。また、児童相談所から県警に支援要請したケースが8件あったという。

摸擬家屋内で子どもの一時保護の説得に当たる担当者ら(右側)

摸擬家屋内で子どもの一時保護の説得に当たる担当者ら(右側)

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧