耕作放棄地でジャガイモ収穫 いきいき講中
里山保全に取り組む紀美野町の「いきいき講中」は18日、耕作放棄地を整地した畑で育てたジャガイモを収穫した。畑は同町松瀬の山頂付近に位置し、昨年から栽培。講元の尾初瀬鈴子さん(71)は「先人が残した財産を放っておくのはもったいない。里山のあるべき姿を守っていきたい」と話す。
同講中は少子高齢化などの影響で増えてきた耕作放棄地や休耕田をよみがえらせるとともに、里山の在り方を考えようと平成26年に発足。尾初瀬さんの呼び掛けで集まった町民らが参加し、現在は30~80代の18人で活動している。
カズラのつるなどの雑草が茂り、荒れていた放棄地を耕し、昨年からジャガイモの栽培を始めた。昨年の春ジャガは町の夏祭りで「いも餅」として、秋ジャガはそのまま地域住民に販売した。
同畑は根菜の栽培に適しているとされる赤土で、尾初瀬さんによると旧志賀野村時代は「志賀野村のジャガイモ」として市場で出回り、重宝されたという。
3作目の栽培となった今回は400㌔以上を収穫した。ジャガイモのまま地域住民に提供する。
今後もサツマイモの栽培や休耕田の再利用などに取り組んでいく予定。尾初瀬さんは「細々と活動を続けることで、後に自分も里山を守りたいと思ってもらえる方が現れてくれることが希望ですね」と笑みを浮かべた。
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